2017/07/24 | レポート |
【ウルトラファインバブル】オランダ最先端農業研修-第3回-
【研修目的】
決して広い国ではないオランダは今世界第2位の農業物輸出国です。ハウス温室栽培の分野で世界最先端の農業を生で見て日本との違いを感じ、この経験を今後の私たちの使命でもある「日本を農業で元気にする」に活かしたいという想いからこの研修を企画・実行に至っています。今回のオランダ研修は全4回の内、3回目のブログ、スタート!
研修期間:2017年5月8日(月)~5月14日(日)
カクイチ参加人数:6名
【4日目】
・5月11日
9:20 TOMATOWORLD視察
6戸の農家が出資して設立した、80種類ものトマトを栽培しているハウス施設。
気温、湿度、二酸化炭素量、散水までコンピューター管理しています。
80種類のトマトの内、試食可能なトマトは48種類。こんなあったら試食でおなかいっぱいになりそう笑
ヨーロッパではパスタのソースに使われるような加熱加工用のトマトの需要も高いよう。有名な日本メーカーのトマトも陳列されていました。
ここでの説明で印象的だったのは種の価格と生産の徹底した分業制について。
種苗会社は温室の規模、サイズ、味から生産者の要望に合った種の品種改良を行い、なんと種の金額は1kgで金より高い7万ユーロ。
種は種メーカー、育苗専門農家は播種から30cmまでの育苗、グロワーはそれ以降の生産、、、と各々が100%傾倒して栽培。
また、こうして説明を聞いている最中もトマトの病気を研究・対策している機関がチェックをに来ていて、品質管理が日常的に行われているのが垣間みれました。
11:00 イチゴ農家(リチャード・ファンダイクさん)視察
2011年からイチゴ栽培を開始し、以前はバラの栽培。
バラは価格競争に負けて(現在はスペイン産が中心)イチゴへ転作したようです。
今は流通は通さないで、100%直売。
オランダの農家さんも競争と戦っているんですね!
品種はモーリンセントナリー。海外でよくある赤いけど甘みの低いいちごではなく、日本有名ブランドイチゴと同等の甘さで驚きました。
にもかかわらずイチゴの収穫量はなんと日本の平均以上の1㎡=10kg!!
オランダでは、イチゴ栽培(温室)が増加しており、施設栽培ではきゅうり、トマト、パプリカに続く4番目の生産量。オランダ国内の栽培面積は400ha。
イチゴは日本がかなり先を行っていると思っていましたが、この実績からみても、日本の栽培技術に匹敵する技術だと実感しました。
ただ今回のイチゴ農家は日本の商品と同質・同量だと仮定して直販価格は半分ほどでした。想像はもう少しあると思っていました。
さて、昼食後の一件目は
14:45 花卉農家(Harry Wubben flowers)視察
こちらは1989年に設立。
温室面積6haで菊を中心に栽培。年に2500万本を出荷。
苗はケニアから週に1度輸入しているようです。
苗をかこっている針金のようなものが苗の生長に合わせて上昇し、茎を支える仕組みとなっています。
この温室では、常に出荷できるように10万本単位で段階的に定植。
10万本単位でこのピンクと黄色の色の境目となってるのでわかりやすいですね!
お盆の時期になると日本へ60万本も輸出していて、なんと日本の仏壇にはオランダの菊が供えられていたんですね〜!
菊は年7回作り、病気(連作障害対策)として100℃の蒸気で6時間殺菌。こちらの農家も「病気対策」は大きなポイントとなっているようでした。
この蒸気はそのためだったのかぁ〜。中央にうっすら白い雲みたいに写っていますね〜。
そして本日の最後の視察は、、、
16:00 トマト農家(SCLYCO農場)視察
こちらの農家さんは10haの圃場に加え、7haの3箇所目を現在建設中、さらにグローバルGAPも取得している大農家さん。そしてなんと、こちらのトマトの収穫量は88~93kg/m。日本の温室トマトと比べると5倍以上の量で、オランダ国内の平均収量70kg/㎡に比べても高い生産性をあげている大変優秀な農家さんでした。
収穫生産性も500kg/h/人。かなり収益のあるトマト農家だと実感できました。
ここで一つこの農場のならではのユニークなシステムを発見。
温室内に水路が完備されていて、水にMg(マグネシウム)を溶解、ヘタの部分が水面に浮く濃度まで調整されているとのこと。
こうして収穫したトマトは水路を流れて、サイズ選別レーンまで到着。良く考えられた大規模農場ならではの搬送システムで、トマトを傷つず、効率的に運べる非常に面白いつくりですね。
このアイディア考えた人、ブラボー!!
今日の視察はそれぞれの農家さんのユニークな部分が沢山見えました。
研修最終日の記事もすぐ公開予定です!
それでは次回をお楽しみに♪
-研修最終日に続く-