イタチはイノシシやシカ、サルと違い、農作物への被害金額が計上されていない地域があるものの、雑食であることから農作物を食害したり、農業従事者の住宅の屋根裏に侵入し、その糞尿によって天井板を腐食させたり、悪臭被害を生じさせたりといった生活被害も引き起こします。
そこで本記事では、害獣イタチの生態と防除方法についてご紹介していきます。
イタチの生態
野菜や果樹等への被害増加が考えられるイタチの生態を知ることは、効果的な防除策を探るうえで重要です。
イタチは木登りが得意で、またカエルやザリガニなどを捕食するため泳ぎも得意です。加えて、イタチは体長が30cmほどあるにもかかわらず、3cmほどの小さな穴をすり抜けることができます。これが屋根裏への侵入を許してしまう厄介な要因の一つです。
イタチは雑食です。ネズミなどの小型哺乳類も食べます。野ネズミを食べてくれるため、農林業上有益ともされていますが、果物や野菜を求めて田畑を荒らすこともあります。
イタチによる被害の概要
雑食性のイタチが野菜や果物などを食べる被害があります。先述したとおり、木登りが得意なため、木になる農作物が荒らされる可能性もあります。
またイタチは肛門の左右にある肛門腺から非常に臭い分泌液を出すのですが、糞を排泄した際、イタチ同士のコミュニケーション手段として、この分泌液でにおい付けを行うため、悪臭による被害も考えられます。
イタチの防除方法
イタチはその場所がイタチにとって居心地のよい場所になると、繰り返しその場を訪れます。また糞尿が残っていたり、その臭いが残っていると縄張りを意識し、何度も侵入する可能性があり、完全に防除するにはなかなか手強い相手です。
イタチから農作物を守ったり、悪臭被害に遭わないためのいくつかの手段を記します。
周辺環境の整備
イタチに限らず、さまざまな農業害獣に有効な防除策です。
ほ場周辺に野生動物のエサとなるようなもの（収穫時期を過ぎた野菜や果実、食物残渣など）を置かないようにします。またほ場周辺に雑草や茂みなど、野生動物が身を潜められそうな場所がある場合には草刈りを行うなど、見通しをよくして、動物が人間を避けながらほ場までやってくるのを防ぎます。
イタチのエサとなるネズミや鳥を寄せ付けないよう駆除することも、イタチの発生を抑えることにつながります。
侵入経路を塞ぐ
住環境への被害を抑えるためには、侵入口を塞ぐ方法をとります。侵入口になりそうな場所（屋根の隙間、床下の隙間、壁の亀裂など）に金属板や金網を用いて、そのすき間を塞ぎます。イタチは3cm程度の穴をすり抜けられるので、できる限り目の細かいものを用意すること、すき間なく設置することが重要です。
また、侵入口に行くまでの動線となりそうな場所（屋根から地上に通じる雨どいなど）に有刺鉄線や有刺鉄板を巻きつけるという手段も合わせて行うと、イタチにとって侵入しにくい環境をつくることができます。
イタチが苦手なものをフル活用
イタチが苦手なものには、強いニオイと強い光があげられます。
まず強いニオイですが、市販の「忌避剤」を利用する際は、スプレーなどの液体タイプではなく固体タイプを選びます。スプレーの他、煙の忌避剤などは、風でニオイが拡散してしまい、高い効果が得られません。
漂白剤のニオイを嫌うともいわれています。侵入を防ぐ対策と合わせて、侵入場所に固体タイプの忌避剤や、新聞紙などに漂白剤等を浸してかたくしぼったものを仕掛けておくと効果を発揮します。イタチは糞尿のニオイが残っていると、その場所に戻ってくる可能性が高いので、漂白剤は忌避剤としての利用に合わせて、糞尿のニオイ消しとして活用するのもよいかもしれません。
それから、イタチは居心地のよい場所には繰り返し出没するため、忌避剤等で来なくなったとしても繰り返し対策を続けてください。イタチに学習させることができれば、その場に戻ってくる可能性は低くなっていきます。
強い光が苦手なイタチへの対策には、点滅灯とアルミホイルを利用したものもあります。点滅灯はクリスマスデコレーションなどで使うものでOKです。イタチが苦手な強い光で追い払うために、赤や青といった色付きのものではなく、白色・銀白色のものを選びます。アルミホイルはハガキサイズに切り出し、点滅灯の間に吊り下げて、点滅灯の強い光を拡散します。
参照サイト
西宮市鳥獣被害防止計画
大阪府／イタチでお困りの方へ
イタチの生態や被害、対処法について！早めに業者に依頼するのがおすすめ | 愛媛県の害虫・害獣・害鳥の駆除なら
イタチによる被害の対策について 豊中市
【画像あり】イタチのフンの特徴と見分け方！イタチの駆除方法も
イタチ（ニホンイタチ）
（上記2024年2月8日閲覧）
