深刻な農業被害を防ぐために、今から始めておきたいヒアリ対策

深刻な農業被害を防ぐために、今から始めておきたいヒアリ対策

深刻な農業被害を防ぐために、今から始めておきたいヒアリ対策│画像1

全国各地の港湾施設などでヒアリの存在が確認され、このヒアリが日本に定着してしまうのではないかという懸念が広がっています。というのも、このヒアリは猛毒を持っていることで知られており、ひとたび刺されてしまうと「殺人アリ」という異名を持つほどの毒性によって人間ですら死に至ることがある恐ろしい害虫だからです。
海外の被害事例を見ると農業への被害が深刻であるという報道も見られ、日本の農家にとってもヒアリの影響は看過できないところです。
そこで、このお騒がせの張本人であるヒアリの生態や日本への侵入経路、そして人や農業への被害が発生するとどうなるのかというヒアリ注意情報をまとめました。

ヒアリとはどんなアリ?

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環境省HPより

ヒアリは南米中部を原産とするアリの一種で、日本の在来種よりも体が小さく赤茶色をしているのが特徴です。ヒアリという名前を漢字で書くと「火蟻」となるように、このヒアリに刺されると激しい痛みとともに火をつけられたような熱さを感じるのも大きな特徴です。

ちなみに、ヒアリは英語ではFire Ant(炎のアリ)と表記します。つまり英語圏でもヒアリは存在していて、刺された時の感覚は熱いと感じていることが分かります。
これまで日本で生存が確認されたことはほとんどなく、とても凶暴で猛毒のアリということは一部で知られていても対岸の火事のように見なされていました。
それが日本国内で生存が確認されたことで、一気にヒアリへの関心が高まり、それと同時に人や農業への被害が懸念として表面化したのです。

考えられる日本への侵入経路

ヒアリが日本に侵入をしてきた経路として最も可能性が高いのは、貿易による物流です。各地で見つかっているヒアリも貿易港のコンテナなので、ヒアリが生息している海外で製品やコンテナに付着したヒアリがそのまま貨物船に乗って日本まで到達したと考えられます。

出発港との距離にもよりますが、通常貨物船は数週間や1ヶ月以上の旅をして日本にやって来ます。それだけの旅をすると乗組員のように衣食住が確保されていない生き物は死滅することがほとんどなのですが、それでもヒアリが生き残って日本に到達したということを考えても、ヒアリの強い生命力を感じます。
そんなヒアリが日本に定着してしまうと、強い生命力があるがゆえの影響は計り知れません。

人がヒアリに刺されるとどうなる?

猛毒性が大きな不安を煽っているヒアリですが、人がヒアリに刺されてしまうと何が起きるのでしょうか。
ヒアリは生物学上、ハチ目スズメバチ上科アリ科に属します。アリの一種でありながらハチの仲間であり、さらに猛毒で知られるスズメバチとの生物分類上は近い存在です。毒性についても似ている部分があり、ヒアリが持つ猛毒はスズメバチに近いものです。
そんなヒアリに人が刺されると、名前の通り熱いと感じるほどの強い痛みを感じます。「刺されたら死ぬ」というイメージが流布してしまっていますが、実際のところ致死率はそれほど高くはなく、「死ぬこともある」という程度です。
しかし、ヒアリに刺されたことによってアナフィラキシーショック(強いアレルギー障害のことです)を引き起こすと死に至る可能性が高くなるため、油断は禁物です。

深刻な農業被害について考える

人が刺された時の被害に注目が集まりがちですが、すでにヒアリの被害が相当数出ていて対策が進んでいる国では、ヒアリ被害=農業や不動産の被害と捉える向きもあります。
特にGrowRicciでは農業への被害を考えたいところなので、ヒアリがもたらす農業への直接的な被害を挙げてみると、以下のようになります。

・農業従事者が畑などでヒアリに刺される
・ヒアリの旺盛な食欲によって土壌や野菜が食い荒らされる
・日本にはヒアリの天敵がおらず異常繁殖をして生態系を破壊する
・家畜がいる場合、家畜が刺されて死に至るリスク

このように、直接的な被害だけでもかなりのリスクがあることが分かります。余談ですがアメリカなどでは不動産への被害も深刻で、電気にヒアリが近寄ってくるという性質のせいでケーブル類が食い荒らされて停電や放電、さらには漏電による火災被害…その結果として不動産価値が下落するということも現実に多発しています。

生態から考える、ヒアリ対策

ヒアリには、女王アリを中心にコロニーと呼ばれる群れを作る生態があります。日本各地で発見されているヒアリについて女王アリの有無が注目されているのは、「女王アリが見つかるとコロニーがある」→「すでに日本国内で繁殖している」→「爆発的に数が増える」ということを懸念しているからです。
逆に考えると、女王アリがいないとヒアリはコロニーを維持できず、やがていなくなります。
そこで注目されているのは、「アリの巣コロリ」などに代表される、アリに疑似餌を運ばせて巣に持ち帰ったところで退治するというアリ対策製品です。ヒアリもアリの一種なので働きアリが列を作ってせっせとエサを巣に運ぶので、その後を追跡して巣を特定、それを一網打尽にするという駆除方法が一般的です。
風呂上がりの足マットとして人気の珪藻土は瞬時に水分を吸い取ってくれることが売りですが、これを農地や家の周りにまいておくとその上を通ったヒアリの水分が一瞬にして奪われ死に至るという対策方法も有効であるとされています。
ヒアリもアリの一種なので、アリ対策として知られている方法が、まずは手軽に実践できる方法として使えそうです。

 

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