害虫は農作物を荒らす厄介者です。害虫被害が起きないよう予防することが大切ですが、地球温暖化の影響で天候が読みにくいこともあり、思ってもいないタイミングで害虫被害が発生してしまうことも。
害虫被害が発生してしまったときには、迅速に種類を特定し、対応することが重要です。
本記事では、害虫の種類の特定や対策に役立つオンラインサービス、アプリをまとめました。
オンラインサービスで害虫について知る!
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構が運営しているWEBサイトです。主に穀物や乾燥食品につく虫が取り扱われており、農業害虫に特化しているわけではありませんが、フローチャートや画像から種類を特定するのに役立てられます。
インターネット版日本農業害虫大辞典 (Twitterアカウント@boujo_net)
全国農村教育協会が運営する害虫辞典です。病害虫の名称が特定されている場合に便利な辞典です。辞典に掲載されている害虫の詳細情報を知るためには会員登録(無料)が必要になります。
『日本農業害虫大事典』には書籍版やCD-ROM版も用意されています。書籍は50,000円(税抜)、CD-ROMは5,000円(税抜)とやや高額ですが、約1,800種もの日本の“農業害虫”のカラー写真付きで、実用書として定評があります。
こちらも、病気や害虫の名称が分かっている場合に詳細を調べるのに便利なサイトです。一覧表に記載されている病虫害の種類が豊富なのが特徴的。
岡山県農林水産部農産課が提供しているWEBサイトです。検索条件を指定することで病害虫に関する詳細情報を引き出すことができます。
奈良県農業研究開発センターが提供しています。主要な作物(イネ、イチゴ、トマトなど)に発生する病害や害虫について知りたい人におすすめ。
先で紹介したWEBサイトよりは病害虫の種類に劣りますが、どんな人でも病害虫を判別できるよう、大きな画像が提供されています。提供されている画像が大きいので、高速回線で閲覧することをおすすめします。
アグリサーチャーは最新の研究情報や研究者情報が収録されたWEBサイトです。最新の品種や生産技術、作業の省力化に関する情報などを知りたい人は、ぜひ一度目を通してみることをおすすめします。
アプリを害虫対策に役立てる!
株式会社山東農園が開発した「アグリショット」は、一般的に広く認知されている無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って、病害虫を自動で診断できるアプリです。
LINEでアグリショットのIDを友達追加すれば準備完了。あとは、病害虫の被害にあった農作物の写真を撮影し、アグリショットのトーク画面に送るだけです。人工知能が送られてきた写真を診断し、可能性の高い病害虫の診断結果を返してくれます。
2020年9月現在、柑橘類とイチゴ、ナス、トマトの病害虫診断が可能です。
レイミーは農作物や病害虫等の写真を人工知能が診断し、それがどのような病害虫なのかを診断するとともに、防除に適した農薬の情報を表示してくれるアプリです。種類の特定と対策、両方の情報を写真撮影だけで得ることができます。
病害虫診断アプリ「SCIBAI -サイバイ-」 – 株式会社ミライ菜園
SCIBAIもまた人工知能による簡易的な診断ができるアプリです。SCIBAIのユニークな点は、クラウド上のカレンダーに病害虫の診断結果を記録することで、昨年の同じ時期のどんな病害虫が発生したのかを振り返ることができるところ。診断結果の積み重ねを、計画的な病害虫防除に役立てることができます。
また日々の作業報告等もメモすることができるので、栽培計画を立てるのにも役立つアプリです。