Iotとは「Internet of Thing」の頭文字をとった略語です。
すべてのモノ(Thing)がインターネットに接続されて利用されるシステムや、それを実現した社会のことを指します。
電化製品などはインターネットに接続できますが、生き物などは一見インターネットに繋ぐことができません。
そういった場合はセンサーなどで情報を読み取り、その情報をインターネット上で交換します。
IoTは様々な分野で活用されており、農業分野での利用と需要も高まりつつあります。
本記事では、IoTを導入した農業の事例をご紹介します。
IoTがなんだかよくわからない人は、具体的な事例を見ながら農業におけるIoTの活用の仕方を勉強してください。
成功事例1:収穫量アップ
IoTを農業に活かすにはセンサーを活用します。
ハウス内にセンサーを設置して温度や湿度などの環境データを観測します。そのデータはスマートフォンやパソコンなどのデバイスでどこからでも確認することができるため、わざわざハウスに行かなくてもハウス内の状況を知ることが可能です。ハウスの中に何らかの事故があって適正な温度や湿度を保っていない場合でも、いち早く異常を察知して対応できるのです。
実際にこの方法を導入した農家の中には、収穫量を20%ほどアップさせたケースもあります。
また、気象庁から気象予報のデータを取得して、畑の近くの気温や雨量、風速、風向きをピンポイントで予測することで、一定の対策を取ることも可能です。気象の変化に多少なりとも対応できれば、その分収穫量を増やすことができます。
さらに様々なセンサーを使えば作物に最適な土の状態を数値化することができます。常に土の状態をモニタリングし、土をベストな状態をキープできるようになれば、収穫量の増加に加えて高品質の作物を作り出すことも可能となります。
農業には土作りが大切だとされています。しかし何を良い土とするかは農業従事者の勘や経験にある程度委ねられる部分があります。それを数値化できればより多く商品価値のある作物を効率的に作ることが出来るのです。
成功事例2:ドローンと組み合わせて効率的に農場管理
カナダのベンチャー企業では、ドローンを使って広い農場の状態を観測する技術が開発されています。
農場従事者はドローンを操作する必要がありません。ドローンを発進させてしまえば、AIを搭載したドローンが定められたルートを飛行し、自動的に農場の画像を撮影します。画像データはサーバーに送信されて解析が行われ、農家は得られたデータを見ながら適切な行動を取るだけでいいのです。
広い農場を管理しなければならない農場経営者や、日本のように自分の農場が点在している地域では、各農場のチェックにかなりの時間を割かれます。ドローンを使ったこの技術を導入すれば、その時間を大幅に削減できるのです。
家にいながらにして屋外の状況を知ることができるので、高齢の農業従事者の身体的負担を減らせるメリットや、農場を移動する間に発生する事故を防止できるという効果もあります。
この技術が進めば、様々な農場のデータをビッグデータとして蓄積し、水や肥料を与えるタイミングを最適化したり、作物毎に適した日照量を調整したりすることが可能になるとされています。
成功事例3:害虫駆除
農家の悩みは天候だけではありません。作物を荒らす害虫などは明確な農業の敵です。
害虫駆除のための技術も進んでおり、ドローンを使って害虫を見つけ、自動的かつピンポイントに農薬を散布するシステムが開発されています。
夜間には発光して飛ぶドローンを使って虫をおびき寄せ、近づいてきた虫に電気ショックを与える実験も行われました。実験は成功し、農業関係者からは新技術の本格的な実用化に熱い視線が送られています。
害虫の発生状況や退治した履歴をデータ化してインターネット上に蓄積しておくことで、より効率的な農薬散布を行えるようになります。
各地に発生する害虫の種類や発生時期の傾向を知ることが出来れば無駄な農薬散布を行わなくて済むため、経済的負担や環境への負荷が軽減され、農薬散布という肉体労働からも解放されるのです。
AIの発達が進めばより効率的に害虫を駆除できるとされており、農作物の収穫量をアップさせる期待が高まっています。
まとめ
IoTに関する技術は日進月歩で発展しており、将来的にIoTは「あって当たり前」の技術になるかもしれません。
高齢者が多い農家の人は、それまで自分の勘や経験で収穫をしてきた自負もあり、新技術の導入に消極的な部分があります。
しかしIoTを利用した農法を他の農家に先んじて導入すれば、先行者利益が得られる可能性があります。
新しいやり方を積極的に取り入れることは、農業分野においても非常に大切な姿勢と言えます。
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