近年注目されるドローンは農業にとって救世主となるか?

近年注目されるドローンは農業にとって救世主となるか?

ドローンという言葉をニュースなどで聞いたことがあると思います。存在を初めて知ったのが、OK Goの「I Won’t Let You Down」(2014年リリース)のPVという人もいるのではないでしょうか?
OKGO

 

 

また、2015年にはドローンが首相官邸に落下したニュースが報じられ、テロではないかと話題となりました。
ドローンが首相官邸に落下

ドローンは旋回性や操作性が良く、産業用無人ヘリコプターと比べて10分の1の費用で導入できるので、今後の活躍が期待されています。本記事では、ドローンを農業に活かした例をご紹介します。

■ドローンとは?

近年注目されるドローンは農業にとって救世主となるか?画像1

ドローンとは、本来は自律飛行可能な小型の無人航空機を表す通称でした。全幅が30メートルを越える大型の無人機や、手の平サイズの無人機まであり、元々は軍事目的で多く使われていました。現在では意味が広がり、『(自律飛行式を含む)遠隔操縦可能な(小型の)マルチコプター』を指すようになりました。

「ドローン」と言うと、複数のモーターを持つ小型のラジコンヘリコプターと言うイメージを持つ人が多いでしょう。価格もおもちゃ感覚で買える物から100万円以上の物まで様々ですが、墜落の危険性があることから日本では法整備が少しずつ進んでいます。

 

 

 

■ドローンの農業における導入事例

近年注目されるドローンは農業にとって救世主となるか?画像2

・農薬散布

従来は農業用ヘリコプターで行ってきた農薬散布を、ドローンで行う試みです。例えば2016年の8月には、福岡県みやま市高田町で実用化を検討するために、ドローンによる農薬散布の試験が行われました。1回の飛行で5反分の水田に散布が可能だったようです。農業用ドローンの開発は進んでおり、実売もされています。4リットルの農薬を搭載し、50aに5~6分で農薬散布出来るモデルもあります。墜落しても人的被害がないので安全性が高く、ヘリコプターの入れない場所でも運用可能なのが強みです。農林水産省でも農薬散布用ドローンの認定制度を始め、農業生産効率を高めるために普及を促す方針です。

 

・圃場(ほじょう)の確認

ドローンを使って空から圃場を空撮し、その画像を解析して作物の水稲の生育状況を把握する事が可能です。撮影された画像から追肥の時期や場所を分析したり、収量の推定をしたりしています。既に水稲で実施された例があり、出来上がったお米は「どろーん米」として販売された実績があります。農薬を積載しなければならない農薬散布用ドローンと違い、積載量の少ないドローンでも運用できるのがメリットです。足跡で圃場を荒らすことなく、高頻度で確認ができます。広範囲の農場を短時間で監視でき、問題がある地点を見つけたらピンポイントで対策できるので、作物に異常がないか農場全体を歩いて見回る必要がありません。

 

・鳥獣被害対策

徳島県ドローン安全協議会などでは、夜間の鳥獣害対策にドローンを導入するための実験を行った例があります。ドローンに赤外線カメラを搭載し、茂みに隠れた動物を発見できるかを確認し、獣害対策に繋げる狙いです。また、徳島県の「徳島ドローン特区」に指定されている那賀町でも山間部でドローンを利用して狩猟犬の位置を特定する実験を行いました。将来的にはドローンから音や光を発し、自動で農場の上空を巡回させて害獣を追い払うといったようなドローンの活用法が期待されています。ただ、海外では飛行中のドローンが猛禽類に襲われた事例も報告されており、今後の対策と研究、そして実用化が待たれています。

 

 

 

■ドローンに関する法律

近年注目されるドローンは農業にとって救世主となるか?画像3

手頃な価格で入手できて便利なドローンですが、事故や悪用による被害を予防するために、利用には一定のルールがあります。2015年12月には「無人航空機に係る航空法」が改正されました。以下、国土交通省のホームページから一文を引用します。

 

”空港等の周辺の空域や人口集中地区の上空を飛行させる場合等、また、夜間や目視外等において無人航空機(ドローン)を飛行させる場合等には、国土交通大臣の許可や承認が必要です。”

 

ドローンに関する法整備はまだ始まったばかりで、今後も運用ルールが大きく変わる可能性が高いです。飛行禁止区域も広がると予想されています。具体的な規定については、行政のホームページや最新の法令を確認してください。

 

 

■まとめ

ドローンに関する技術は今後も発展が予想され、それに伴って様々な利用方法が生み出されるでしょう。ドローンを使ったビジネスも活発になり、当然農業分野にもドローンが活用されることが期待されています。しかし空を飛ばす性質上、常に落下の危険が伴います。場合によっては免許制度や認定制度が導入される可能性もあるでしょう。常に最新のドローン情報をキャッチし、いざドローンを使う時になって慌てないようにしましょう。

 

数あるカクイチの製品の中から
農家の方へオススメな製品をピックアップしました。


 

テクノロジーカテゴリの最新記事