世界各国で進むAI農業、活用事例をご紹介!

世界各国で進むAI農業、活用事例をご紹介!

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AI技術を駆使した農業が注目を集めています。
特に日本では、第一次産業に従事する人の高齢化や、後継者不足、耕作放棄地などの課題解決に繋がるとして注目が集まり、すでに導入している農場も決して少なくはありません。

そんなAI農業ですが、日本だけに限った話ではなく、世界各国で様々な技術が生み出され、農業が直面する様々な問題の解決に役立っています。そこで今回は世界各国で注目を集めているAI農業技術についてご紹介していきます。

 

気象データを参考に、収穫予想まで提供してくれる?!

アメリカ航空宇宙局の人工衛星Landsat(ランドサット)が、農業利用に役立つと注目を集めています。Landsatは、撮影した上空からの画像を利用して、地球表面の環境データを観測することができます。そのため、画像から得られた観測データを使用すれば、発展途上国の農地整備に役立つと期待されています。
農場が天災や干ばつなどの被害に遭った場合でも、上空からの観測データによって被害状況を判断できれば、迅速に解決策を導くことができると期待できるのです。

またPACEと呼ばれるプログラムでは、人工衛星から撮影された衛星写真を人工知能などによって分析、微生物量や酸素、二酸化炭素濃度による影響を確認することができます。この場合は農場利用というより、海水温度の上昇による植物プランクトンの減少といった環境問題を食い止めるのに活用されています。

 

もう人手は不要?!な収穫ロボット

データの観測・分析と聞くと、AI技術の存在は抵抗なく頭に入ってくると思うのですが、とうとう「収穫」もロボットが参入する時代になりました。人手不足という悩みも、もうしばらくすれば「ロボットがいるから全く問題ない」と言われる時代になるかもしれません。
障害物や路面状況を確認しながら移動することのできる「自律走行」、収穫可能な実とそうでない実を判別することのできる「画像認識」、そして「摘み取り動作」、この3つの動作が可能となったロボットは、トマトやイチゴといったハウスなどを利用して農作物を育てる「施設園芸」で、すでに農場を行き来しています。

例えばスペインのAGROBOTが製造した収穫ロボットSW6010は、高度な光学認証技術が特徴です。人の目で確認しなければ完熟しているかわからなかったイチゴを、あらゆる角度から写真撮影を行い認証することで、出荷に適した、熟した実だけを収穫することができます。加えて大きさごとに分別することもできるため、スペイン国内では高く評価されている農業用ロボットです。

イチゴやトマトだけでなく、比較的高さのある木になる果実も収穫できるロボットがいます。ワイン用のぶどうを収穫するロボットは、自走しながら収穫に適したぶどうを収穫するだけでなく、枝の剪定作業も行う優れものです。

ただし、収穫用ロボットが利用される場面が、イチゴやトマトといった野菜に集中するのには理由があります。AI技術が発展しているとはいえ、実用化は始まったばかりですから、まだまだ収穫用ロボットは1台の価格が高いのです。1台500万円ほどするロボットな上、このロボットは収穫に特化されたロボットですから、購入金額と見合う作業量をさせるには、収穫量の多いイチゴやトマトといった野菜が割に合う、ということなのです。
しかし今後も技術が発展し続ければ、コストダウンや収穫できる野菜の種類が増えることも期待できるでしょう。

 

農場管理は全てAIに任せっきりでOK?!

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ロボットのように“目に見える形で動く”ものだけがAI技術ではありません。
農場の管理を全てAIに任せっきりでも問題がない、そんな技術革新も起きています。

例えば普通のトラクターにしか見えないLettuceBot(レタスボット)は、農作業では必ずと言っていいほど直面する「除草作業」を任せることができる機械です。というのも1分間に5000個の花の蕾を撮影することのできるこの機会は、芽の生え生育を続けるレタスを認識し、レタス以外の雑草を確認して除草剤を的確に撒いてくれるのです。
混み入ってしまった葉に対しても、的確に認識し除草剤を撒くことで、間引きのような作業も一任してくれるのです。その誤差は6mm以内のため、機械作業によってレタスが全て除草剤でやられてしまった…という悲しい可能性はかなり低いでしょう。

雑草除去であれば、2016年にヨーロッパで開始されたSAGA(Swarm Robotics for Agricultural Applications)もユニークな取り組みです。目的は雑草除去と収穫量の改善です。

内容としては、ドローンで農場を管理し、雑草の位置を確認したら、ドローンと連動している芝刈りロボットによって雑草を除去するというもの。広大な敷地内を20~30分ほど1機のドローンが飛行します。そのドローンが業務を終えると、次のドローンが代わって作業を続けてくれます。ドローンによる農薬散布も画期的な技術だと思いましたが、芝刈りロボットと連動させ、かつ雑草の位置を明確に把握することで、肥料や農薬の使用量を減らすという効果もあります。

また近年、日本でもよく見かける技術としてAIによる農場管理があります。
農場に設置されているセンサーやカメラによって、気温・湿度、植物の健康状態や病害虫の検出などを測定し、その結果から算出した水分や肥料分を自動的に与えたり、収穫量予測などを行います。この技術は、農作業の効率化に繋がるだけでなく、今まで農業に触れてこなかった新規就農者でも簡便に農作物を育てることができるという利点があります。
長年の経験と勘で伝承されてきた技術を数値化することができれば、後継者不足から名乗りをあげてくれた就農者でも、スムーズに農業へ参加することができます。今回紹介した様々なAI技術の中でも、日本ではAIを駆使した農場管理システムが広がりやすいのではないかと考えています。

 

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