ロボット、AI、IoTなどの先端技術を活用した「スマート農業」は、いまやごく当たり前に耳にする用語となりました。スマート農業への関心がある人、実際に取り組んでみたいと考えている人は決して少なくないはずです。
農研機構が公開するウェブサイト「スマ農成果ポータル」には、スマート農業に関心のある農業者に役立つ、スマート農業技術導入の効果や費用、事例などの情報が掲載されています。
スマ農成果ポータルとは
「スマ農成果ポータル」とは、「スマート農業実証プロジェクト」で得られたデータの分析結果や導入技術、地区ごとの情報等、実証成果が検索できるサイトです。
スマート農業実証プロジェクトは、「スマート農業技術を実際に生産現場に導入し、技術実証を行うとともに、技術の導入による経営への効果を明らかにすること」を目的とした実証事業を表します。
ウェブサイトを実際に見てみると……
トップページには
- スマート農業実証プロを検索する
- 経営分析の結果を見る
- 導入技術ごとに見る
- 実証地区ごとに見る
- リンク集
の項目が表示されています。
注目すべきは「導入技術ごとに見る」「実証地区ごとに見る」です。
「導入技術ごとに見る」を見てみる
たとえば「導入技術ごとに見る」で「自動運転トラクタ」を選択すると、
- 導入の効果(実際に使用した際の作業時間等のデータや、成果、留意点が簡潔にまとめられている)
- 導入の効果が現れなかった例
- 運用中に発生したトラブルの例
- 導入成功へのカギ
- 導入事例一覧
について明瞭にまとめられています。
実際に触れてみて、公開されているスマート農業技術の特徴や目安となる価格帯、どのような条件で効率化がはかられたのかが簡潔にまとめられており、成果が理解しやすいといった印象を受けました。
導入成功のために事前に検討するべき事項に目を通し、スマート農業機器の導入が効果的かどうかを事前にチェックすることができるのではないでしょうか。
導入事例の項目は
- 水田作(大規模)
- 水田作(中山間)
- 畑作
- 露地野菜
- 果樹
とカテゴリ分けされているので、自身の圃場に近い事例を調べやすいです。
「ドローン農薬散布」も見てみると、導入事例には成果概要へのリンクが記載されています。生産者の声や紹介動画の有無が表に記載されているので、文面ではなく動画で内容を確認したい人にも情報が見つけやすくなっています。
表の生産者の声に記載されている◯印をクリックすると、農林水産省の公式YouTubeチャンネルの【スマート農業 REAL VOICE】が開きます。これは2分前後にまとめられている動画で、生産者のインタビュー、実際に実証実験を行った人の声を聞くことができます。
「実証地区ごとに見る」を見てみる
カテゴリは「水田作・畑作・露地栽培・花き・施設園芸・果樹・茶・畜産・ローカル5G」に分かれています。
なお「ローカル5G」とは
ローカル5Gとは、全国的にサービスを提供する携帯事業者とは異なり、主に建物内や敷地内での利活⽤について個別に免許される5Gシステム。地域や産業の個別のニーズに応じて地域の企業や⾃治体等の様々な主体が、⾃らの⼟地内でスポット的に柔軟に構築できる。
出典元:ローカル5Gの普及展開に向けて
のことです。
クリックすると、北海道・東北・関東・北陸・東海・近畿・中四国・九州と各地域ごとに分かれた実証成果事例集へのリンクが記載されています。各リンクの横には、実証に使用されたスマート農業機器の名称「トラクタ、水管理システム、ドローン」「田植機、水田除草機、水管理システム、ドローン」といった形で記載されています。
事例集としてとても閲覧しやすいウェブサイトだと感じました。
スマート農業について知りたい人は活用してみてはいかがでしょうか。
参考文献