農業に携わる若者の数は、年々増加傾向にあると言われています。農林水産省が発表した「平成28年新規就農者調査」によると、49歳以下の新規就農者は3年連続で2万人超えです。しかし新規就農者の数は減少傾向にあると言われ、農業に携わる人の数は減少し続けているのが現状です。
そこで農林水産省は、若い世代と農業を結びつける取り組みを行なっています。その1つが「一農ネット」です。
一農ネットとは?
青年新規就農者ネットワーク「一農(いちのう)ネット」は、農業でがんばる若い皆さんと農林水産省が直接つながる、はじめてのネットワークです。
対象となるのは?
「一農ネット」に参加できるのは、
- 青年新規就農者
- 農業法人で働く若い世代
- 就農を希望している若者
- 上記のような若者を応援する人
です。
メインターゲットは「青年新規就農者」や「就農希望者」だと思いますが、農業に携わろうとする若者を応援したい人でも参加することができるなど、間口は広いです。
参加するには?
「一農ネット」は、メルマガ配信登録をすることで参加できます。
メルマガ「一農ネット便り」では、農林水産省からダイレクトに農業に関する情報が配信されます。また農林水産省から送られてくるアンケートや質問に答えることで、参加者同士の生の声も反映されます。配信頻度は月に2回程度です。
会費はあるの?
会費はなく、メルマガ配信登録だけで「一農ネット」の一員になれます。
交流会に注目
「一農ネット」の参加者同士が交流できる「交流会」が定期的に行われています。主な活動内容ですが、
- 青年新規就農者
- 農業法人で働く若い世代
- 就農を希望している若者
- 上記のような若者を応援する人
など「一農ネット」参加者が集まり、就農への不安や農業経営に関する悩みについて意見交換します。参加者の中には「就農に興味がある」「農業を始めたい」人だけでなく、すでに農業経営をしている人もいます。「農業」という共通点をもつさまざまな人が集まるわけですから、活発な意見交換が期待できます。
平成 30 年 12 月5日に岡山市内で開催された「一農ネット交流会 in 中国四国」では、35人が参加。先輩農業者による「次世代農家育成への取り組み」「仕事と生活の双方を充実させる方法」についての講演や、グループディスカッションが行われました。
平成30年12月7日に農林水産省(東京都千代田区)で開催された交流会では、就農して間もない人から、就農前の研修を受けている人など15名が参加。先輩農業者による「農業経営での失敗」をテーマにした講演や、「農業の働き方改革」をテーマに、働き方や経営上の課題を見つめ直すグループ形式のワークショップが行われました。
農業次世代人材投資資金の交付要件の一つ
農林水産省の「一農ネット」のHPを見ると、
一農ネットに加入していること”は、農業次世代人材投資資金の交付要件の一つとなっています。
とあります。
「農業次世代人材投資資金」とは、農業者を志す人に交付される資金のことです。
- 準備型 就農前の研修を後押しするための資金
- 経営開始型 就農直後の経営確立を支援するための資金
の2種類あります。
「準備型」は2年以内、「経営開始型」は5年以内と交付期間が決まっています。
もちろん誰でも資金を受け取れるわけではありません。交付条件の概要を以下に示すと、
- 準備型
都道府県が認める道府県の農業学校等(研修期間等)で研修を受ける就農希望者に交付される - 経営開始型
新規就農を始める人が、経営が安定するまでの最長5年間受け取れるもの
となりますが、実際には5〜6つほどの交付条件をすべて満たす必要があります。
交付条件をすべて満たす必要はあるものの、受け取れるようになれば、最大で年間150万円が交付されますから、新規就農を目指す人にはありがたい制度と言えます。
一農ネットの登録方法
農林水産省HPの「メールマガジン」というページにある「新規配信登録」から登録します。農林水産省が発行しているメールマガジンはたくさんあるのですが、「一農ネット」に登録する場合は、「新規配信登録」から「一農ネット便り」を選択しましょう。
登録完了前には、登録確認メールが届きます。配信登録をする前に、「@maff.go.jp」のドメインから送られてくるメールが受信できるように、あらかじめ設定しておきましょう。
まとめ
農林水産省と直接つながることのできる「一農ネット」。新規就農者が栽培技術や農業経営に不安や悩みを抱えることは決して珍しくありません。そこで「一農ネット」を使い、農林水産省からダイレクトに情報を集めてみましょう。
参考文献