「自分は大丈夫」が一番危険!農作業時の熱中症対策5つ

「自分は大丈夫」が一番危険!農作業時の熱中症対策5つ

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毎年、夏真っ盛りになると必ずニュース報道を賑わせるのが全国各地で起きている熱中症。学校行事などで熱中症が発生すると大騒ぎになるので報道の扱いも大きいのですが、実は表に出てこないところでは熱中症の事例が多発しており、もちろん農家も例外ではありません。
屋外の、しかも直射日光が当たる炎天下で作業をすることも多い農家にとって、農作業をしている時の熱中症対策は命に関わる問題です。
そもそも熱中症とは何なのかを理解した上で、農作業時の被害を防ぐための熱中症対策をまとめました。

そもそも熱中症とは?

熱中症という言葉自体、以前はあまり見聞きすることがありませんでした。長時間炎天下で日光を浴び続けると「熱射病」になるというのは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。小学校時代に校長先生の話が続いている間に気分を悪くする生徒が出た、という話も「熱射病あるある」です。
この熱射病が今でいう熱中症だと思っている方が多いのですが、実はイコールではありません。熱射病は数ある熱中症の中の症状の1つで、熱中症と呼ばれる症状には他にもたくさんの種類があります。他には熱失神や熱痙攣(けいれん)、熱疲労、そして昔からよく知られている熱射病などがあります。症状が異なるため呼び方が異なりますが、どの症状にも共通しているのは熱によって体温が高くなりすぎることと、それに伴って発汗が進み、水分や塩分が足りなくなることによって起きます。
熱中症になると体が痙攣を起こしたり、ひどい場合は意識を失います。意識を失うとそこからの復活を自分ではできなくなるため、放置していると死に至ります。
さすがにそこまでひどくなることはないだろう、と思うことが最も恐ろしいということがこれでお分かりいただけると思います。

こんなに発生している、農作業時の熱中症事例

農家の方々は、炎天下で作業をすることが初めてではないので、自分は慣れていると思っている方も多いと思います。実際、全く慣れていない人と比べると熱中症になるリスクは低いのですが、「ゼロではない」というのがポイントです。さらに「自分は大丈夫」と思っている人が多いところに問題の厄介さがあります。
農家は個人経営であることが多く、しかも高齢化が進行しているため、高齢者が1人で作業することも少なくないでしょう。1人で作業をしている時に熱中症の兆候が表れて「これくらいなら大丈夫」と思って作業を続けていたら意識が遠のいてしまった・・・という恐ろしい場面も現実に起きています。
農林水産省がまとめた、「農作業中の熱中症による死亡事故件数の推移」を見てみると、毎年20人前後の人が農作業中に命を落としています。

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出典:http://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/pdf/nesibo.pdf

さらに、同調査では死亡事故の中で70代と80代の人がほぼ全てを占めていることも判明しています。つまり、農作業を1人でしている高齢者の熱中症リスクがとても高まっているということです。

熱中症対策の基本5つ

熱中症対策はさまざまなところで紹介されているので、GrowRicciとしては農作業中の熱中症対策に絞って5つのポイントをご紹介します。

暑さを可能な限り避ける

それができれば苦労はないと言われそうですが、農作業時の暑さを避けるためにできることはたくさんあります。帽子をかぶる、通気性の高い服を着る、作業場所に日よけを設けるなどの工夫をして、可能な限り暑さを和らげることを心がけましょう。
ハウス内での作業は、特に気温・湿度ともに高くなりやすいので作業時間をあらかじめ決めておくなど、長時間にわたる炎天下での滞在を避けましょう。
そしてもうひとつ大切なのが、クールダウンです。ハウス内ではなくても連続して作業を続けていると体温が上昇するため、30分に1回を目安に日陰やエアコンの効いている場所で休憩を取りましょう。その時に水分や塩分を補給するのも効果的です。

喉が渇く前に水分補給

農作業に限らず、水分補給も熱中症対策の基本です。喉が渇いてからゴクゴク飲むのではなく、喉が渇く前に少しずつ飲む方が体内に吸収されやすく効果的なので、水分の摂り方にもこだわりたいところです。
もし農作業中に足がつりそうになったり、ピクピクするような感じを自覚したらミネラル分が不足している可能性が高いので、水分補給時に塩分を含む梅干しを食べたり塩飴をなめる、もしくはスポーツドリンクを飲むのが熱中症対策になります。

熱中症になりにくい農作業環境をつくる

農作業をする場所に日よけを作って日陰にいる時間を長くするのも効果的ですが、さらに根本的に気温が最も上昇する時間帯を避けて午前中や夕方に作業をするのも効果的です。
シャベルを使う作業は特に体温が上昇しやすいので、午後からの最も暑い時間帯を避けることをおすすめします。

体を意識的に動かす

農作業は力仕事ではありますが、意外に全身を動かすことが少ない作業でもあります。炎天下で体を動かさない状態が最も熱中症を招くので、意識して体を動かすようにしましょう。軽い体操をしたり、歩き回る動きを採り入れるなど、ジッとしながら体の一部だけが動いているという状況をできるだけ作らないようにすると、血液の循環が良くなって熱中症対策になります。

できるだけ2人以上で農作業をする

1人で農作業をしている時に熱中症を起こすと死に至るまで誰にも気づかれないリスクが高くなるので、2人以上での作業が強く推奨されています。これはどちらかというと熱中症の予防というより、熱中症になってしまった時の対策としてお考え下さい。

まとめ

最も効果的な熱中症対策は、「暑い炎天下に出ないこと」ですが、農家の方々にとってそれは現実味がありません。だからこそ安全に農作業ができるよう、「自分は大丈夫」と思うことなく熱中症対策を意識して下さい。

 

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