「木酢液」は、炭を焼くときに発生した煙を冷やして液体状にしたものです。その特徴的な燻製香が虫除けに効果的なのですが、土壌改良や堆肥づくり、生育促進にも役立つと言われています。
そんな木酢液ですが、原材料である樹木の種類や炭を焼くときの温度、精製方法で品質にばらつきが出てしまうのだとか。そこで本記事では、大手ECサイト「Amazon」で販売されている木酢液と市販されている木酢液を使って、木酢液の効果を比べてみました。
Amazonランキング掲載&市販の木酢液を比べてみた
本記事で紹介する木酢液は5種類です。Amazon売れ筋ランキングに掲載されている木酢液と、市販の木酢液を選びました。なお、木酢液には民間療法、厚生目的としての用途もあるため、
- 入浴剤
- 消臭剤
- 殺菌作用
のみを目的に販売されている木酢液は除外しています。
本記事で紹介する木酢液は、
A 木酢液クリア(ランキング1位)
B 純粋木酢液(ランキング2位)
C JEWA 日本炭窯木酢液協会 品質保証/純度100% 岩手産 木酢液(ランキング32位)
D カインズホーム 木酢液
E トヨチュー 有機酸調整済み 木酢液
※ランキング順位は2019年7月20日時点のもの
です。
木酢液クリア
「木酢液クリア」の原材料は「土佐備長炭」。土佐備長炭を焼いたときに出た燻煙を冷やして得られた液体を半年間静置し、出来た木酢液をさらに1〜2年寝かせて濾過。
「木酢液クリア」は木酢液の特徴的な燻煙香がなく、煙の匂いが苦手な人におすすめされています。匂いを嗅いでみると、確かに煙の匂いはありません。ただ酢酸の匂いが強いため、筆者の率直な感想は「酸っぱい匂いがダメな人はダメかも」。
価格は100mLで990円。
純粋木酢液
お風呂の香りつけや汗の匂いを消臭する目的など、さまざまな用途がすすめられている「純粋木酢液」。害虫・害獣避けとしての用途ももちろんありますが、希釈して体に使うことが想定されているからか、鼻につくような煙の香りではなく、ほのかに漂ってくるような香りで比較的まろやか。酢酸臭も煙の奥からかすかに感じられる程度のため、木酢液を使用するのがはじめてという人でも使いやすいのではないでしょうか。
価格は320mLで643円です。
JEWA 岩手県産木酢液
主原料は広葉樹のなら。5つの木酢液の中でもっとも香りが強い印象です。とはいえ、決して鼻につくような煙たい匂いではありません。酢酸臭があまり感じられず、まろやかな香りの木酢液です。Amazonランキングでは「32位」と決して高い順位ではありませんが、レビューを見てみると比較的「害虫・害獣除け」としての評価が高い印象です。
価格は500mLで864円です。
カインズホーム 木酢液
ホームセンター「カインズホーム」で販売されている木酢液です。酢酸臭は5つの中ではAの次に強め。とはいえ、Aほど鼻につく酢酸臭ではなく、煙と酢酸臭が6:4の割合といった感じです。
価格は1.5Lで298円です。
トヨチュー 有機酸調整済み木酢液
Amazonランキングには入っていませんが、関連商品として出てきたので購入しました。酢酸臭は比較した5つの中で3番目に強く、煙の香りはまろやかな印象です。
価格は1.5Lで373円で販売されていました。
木酢液を選ぶポイント
ホームセンターや100円均一で販売されている木酢液は、比較的安価に購入することができます。しかし精製方法によってばらつきが生じやすいのも木酢液の特徴。
一般的な木酢液であれば、
- 燻製のような香り
- 黄褐色ないし赤褐色
- あまり濁りがなく透明
なのが特徴です。
一方で、
- 濁っているもの
- 嫌な感じの刺激臭のするもの
- ゴミのようなものが浮いているもの
は不良品の可能性が高いです。避けたほうがいいでしょう。
中には、建築廃材を利用して作られた木酢液もあるようです。建築廃材には防虫剤や防腐剤などが混じって炭化されている可能性があるため、あまり好ましくありません。
本記事で紹介した5つの木酢液のうち、「木酢液クリア」だけは特徴的な燻製香を取り除いた製品となっています。「どうしても燻製香が苦手」という人にはおすすめです。
また木酢液は希釈して使用するため、もちろん農地の広さにもよりますが、1本の木酢液を購入してもすぐに使い切るということはありません。農地の広さと照らし合わせ、もっともコストパフォーマンスがいい製品を選ぶ、というのもおすすめですよ!
例えば今回ご紹介した5つの木酢液は、100mLあたりの価格が以下のようになっています。
A 990円
B 200円
C 172円
D 19円
E 24円
コストパフォーマンスだけでいえば、カインズホームで販売されているプライベートブランドの木酢液がダントツです。