自家採種のコツ。自家採種する株の見極め方や役立つ道具、保存方法を紹介!

自家採種のコツ。自家採種する株の見極め方や役立つ道具、保存方法を紹介!

種子法廃止や種苗法の「農家の自家増殖原則禁止」の話題に目に入る昨今。現時点では「農家の自家増殖原則禁止」の禁止品目に入っていない固定種や在来野菜を残すため、自分で種を採り、後世に固定種等を残そうとする「自家採種」への取り組みに注目が集まっています。

そこで本記事では、自家採種を始めてみたい人に向けて、自家採種のコツを紹介していきます。

 

 

自家採種のコツ

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自家採種する株の見極め方

どんな野菜であっても、まずは「元気に育っているもの」から選びましょう。

またあらかじめ選ぶ基準を決めておきましょう。一般的には形や色つやがいいものを選ぶことが多いかと思いますが、大きさや収量を重視したり、暑さや寒さに強いもの、病害虫に強いものを選ぶのもOKです。

 

自家採種に役立つ道具を使おう

脱粒や選別作業をするときに役立つ道具を紹介します。

洗濯板

ニンジンやネギのタネを採るのに役立つのが洗濯板です。種がついた穂先や葱坊主を洗濯板でこするとタネがボロボロと落ちていきます。

ブルーシート

ダイコンなど、さやが細く、数も多いもののタネ採りをする場合には、ブルーシートが役立ちます。ブルーシートの上に乾燥させたさやを集め、その上にさらにシートを1枚被せ、踏みます。ダイコンのタネは硬く、踏んだりハンマーで軽く叩く分には潰れません。

ゴマの収穫にもブルーシートは役立ちます。ブルーシートを広げた上で茎を逆さにしたゴマを棒で叩き、タネを落とします。家具量販店「イケア」の買い物袋など大きめな袋の中で行うのも、タネがそこかしこに散らばらなくなるので便利です。

ふるい、手箕(てみ)、唐箕(とうみ)、扇風機

収穫したタネに殻やゴミが混ざっていたり、大きさで選別する必要があります。そんなときに役立つのがふるいや手箕(てみ)、唐箕(とうみ)、扇風機です。

  • 手箕(てみ) 米などの穀物の脱穀の際に殻や塵を取り除くために使う容器。
  • 唐箕(とうみ) 臼などで籾殻をはずしたあと、風力を起して穀物を 籾殻・玄米・塵などに選別するための農具。

ふるいは選別に役立ちます。網目の大きさが異なるふるいをいくつか用意し、採りたいタネがギリギリ通る網目とギリギリ通らない網目で選別することで、採りたいタネだけを得ることができます。

またゴミを取り除く場合、タネが少ない場合には手箕(てみ)でふるいながら息を吹きかけ、ゴミを飛ばします。量が多い場合には唐箕を使うと便利です。

手箕でやるには大変で、唐箕を用意するほどタネが多くないときに便利なのが扇風機です。例えばゴマの場合、網目の異なるふるいとボウル、扇風機を用意します。扇風機の風に当てながら、網目の異なるふるいで掬い上げては下のボウルに落とすを繰り返すと、ゴミや未成熟の粒だけが風に飛ばされていき、ボウルには成熟した粒だけが残ります。

漬物樽やバケツ

乾かす作業が手間でなければ、水の中で脱粒するのもおすすめです。そんなときに役立つのが漬物樽やバケツ。水を入れたこれらの容器の中で脱粒すると、成熟したタネだけが沈みます。

 

採ったタネの保存方法

まず、採ったタネはしっかりと乾燥させましょう。

保存容器としておすすめなのは、

  • ビン
  • 封筒
  • 透明なポリ袋など

です。ビンや透明なポリ袋は中身が見えてわかりやすいのでおすすめです。

いずれの場合も

  • 品種名
  • 採種年

は必ず見えるところに書いておきましょう。

保存で重要なのは、タネの発芽能力をしっかり維持させることです。そのため低温・低湿の状態で保存することがとても大切です。

タネの保存は、基本的には冷蔵庫です。冷蔵庫(野菜室など5〜10℃で保存できる場所)で保存すれば5年はもちます。よく乾かしたタネと乾燥材を容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。

冷凍庫でも保存は可能です。ただし冷凍庫で保存したタネを使う場合には、冷凍庫から出してすぐに播くのはNGです。冷凍庫から出してすぐに播くと、タネが結露し、カビが生えてダメになる可能性が高まります。

冷凍庫で保存したタネを使う場合は、一度冷蔵庫に移し、ゆっくり温度を上げて解凍しましょう。冷凍保存は「非常時用」と捉えておくことをおすすめします。

 

参考文献

  1. 『現代農業2月号』, 2019年2月1日, 一般社団法人 農山漁村文化協会
  2. 野菜だより編集部, 『学研ムック いろんな野菜がたくさんできる アイデア栽培プラン』, 2014年9月4日, 学研プラス
  3. ゴマの姿がよくわからないので、育ててみた デイリーポータルZ
  4. 赤紫蘇の種の自家採取・種子の保存 しその自然農法徹底解説
  5. “なたね”の収穫 – 北九州市
  6. 種子の保存と発芽向上のポイント JA岡山西

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