大雪が想定されるラニーニャ現象とは。天候情報を早期に得るために便利なサイトを紹介。

大雪が想定されるラニーニャ現象とは。天候情報を早期に得るために便利なサイトを紹介。

2021年から2022年の冬は「ラニーニャ現象」の影響で、気温が低く、大雪の可能性も示唆されています。

ラニーニャ現象発生か この冬は気温低く大雪の可能性も 気象庁|気象|NHKニュース

本記事では、大雪が想定されるラニーニャ現象の概要と、農業生産に影響する天候情報を早期に得るために知っておきたいウェブサイトについてご紹介します。

 

 

ラニーニャ現象とは

大雪が想定されるラニーニャ現象とは。天候情報を早期に得るために便利なサイトを紹介。|画像1

 

“南米・ペルー沖の赤道付近の東太平洋で、海面水温が平年より低くなる現象(引用元:ラニーニャ現象発生か この冬は気温低く大雪の可能性も 気象庁|気象|NHKニュース)”とあります。

平常時の海の様子

平常時は、太平洋の熱帯域に吹く「貿易風」の影響で、海面付近の暖かい海水は太平洋の西側に吹き寄せられます。貿易風は1年中ほぼ同じ方向に吹く「恒常風」と呼ばれる風の一つで、緯度がおよそ30度以下の地域で吹く東風です。

貿易風によって暖かい海水が太平洋西部に吹き寄せられること
東風と地球の自転の効果で東部は冷たい海水が深いところから海面近くにわきあがること

によって「太平洋西部の海面水温は高く、東部の海面水温は低い」のが平常です。なお海面水温が高い西部では、海面からの蒸発が盛んになり、それに伴って雷雨や雹(ひょう)を降らせる積乱雲が発生します。

ラニーニャ現象が発生すると

東風が平常時より強くなり、西部には暖かい海水が厚く蓄積していく一方、東部は冷たい海水のわきあがりが強くなります。海面水温が平年より高くなった太平洋西部、特に東南アジア付近では積乱雲の発生がより活発化します。

日本付近は平年より寒くなる

積乱雲の発生が活発化することで影響を受けるのが「偏西風」です。偏西風も貿易風と同じ恒常風で、こちらは緯度がおよそ35〜65度の地域で吹く西風です。積乱雲の発生により、日本の上空を吹く偏西風は平年より南に蛇行することで、日本には寒気が流れ込みやすくなります。その結果、東日本や西日本では平年より気温が低くなる傾向にあり、日本海側では大雪になりやすいといわれています。

 

 

農業生産には早期の天候予測が重要

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ラニーニャ現象を知っていれば、降雪量が多くなる可能性をふまえて、ビニールハウスの補強を行うなど早めに対策を取ることができます。天候の影響による農業被害を軽減するための早めの対策に、気象情報は大いに役立ちます。各気象台や気象庁が公開している気象情報をぜひチェックしてみてください。

気象庁「農業気象」ページがおすすめ

気象庁ホームページには気象情報が満載です。ただ、情報が充実しているサイトの場合、なかなか目的とするページにたどり着けないこともありますよね。そこでおすすめしたいのが、気象庁|農業気象のページです。気象庁のトップページからは、まず「各種データ・資料」をクリックし、「気象」の項目の下から2番目に「農業気象」の文字と「農業気象ポータルサイト」へのリンクが貼ってあります。

このページには営農活動に役立つ気象情報が項目別に分けられています。過去のデータや発表中の予報データを見ることができるので、定期的に情報を手に入れたい場合には、ブックマーク登録をおすすめします。

当日〜数週先の屋外作業計画に役立てるなら

当日・翌日、数日先の屋外作業計画を立てるなら、いわゆる天気予報は外せません。知ることができる情報は天気、風や波について、最高/最低気温、降水確率など。

また気象庁では「2週間気温予報」が公開されています。

2週間気温予報

農業においては、台風や豪雨以外にも、低温など、現象そのものが緩慢なものであっても長期間続くことによって影響が及ぶものに対しても注意を向けなければなりません。そこで2週間気温予報が役立ちます。

トップページには日本地図が表示されています。ここでは日本全体で8日〜12日先までの日平均気温が平年より高いか低いかを知ることができます。各地方の気温予測を知りたい場合には、地図を直接クリックするか、プルダウンメニューから知りたい地域を選んでクリックします。例えば「東京」をクリックすると「東京」「大島」「八丈島」「父島」「関東甲信地方」の気温予測が出てきます。過去1週間の気温と1週間先の気温予報、2週先の予報(5日間平均)を知ることができます。平年との気温の違いは色で示されています。

「もう少し簡潔に情報が知りたい」という人は、一般財団法人日本気象協会が運営するtenki.jp提供の「2週間天気」がおすすめ。

2週間天気(旧:10日間天気) – 日本気象協会 tenki.jp

天気のイラストと最高/最低気温、降水確率が簡潔にまとめられていて見やすいです。

数ヶ月先の情報を知りたい場合には、気象庁の「季節予報」をチェックしてみてください。

気象庁|季節予報

上記トップページ左上にある「全般予報へ」をクリックすると、「1か月予報」(毎週木曜更新)と「3か月予報」(毎月25日を基本に更新)を見ることができます。

要チェック!早期天候情報

「早期天候情報」は、その時期としてはまれに見る著しい高温や低温、降雪等の可能性が高まっている場合、6日前までに知らせてくれるものです。

早期天候情報

例えば雪の場合、その時期としては10年に1度レベルの大雪の可能性が30%以上と予想されると、早期天候情報が発表されます。この情報は、ビニールハウスの補強や早めの収穫などのタイミングを図るのに役立ちます。

 

参考文献

  1. ラニーニャ現象発生か この冬は気温低く大雪の可能性も 気象庁|気象|NHKニュース
  2. 気象庁|エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
  3. ラニーニャ現象で日本は寒い…どうして?|日テレNEWS24
  4. 【気候】偏西風や貿易風、季節風などの違いがよくわかりません。|地歴公民|苦手解決Q&A|進研ゼミ 高校講座|Benesse
  5. 農業に役立つ気象情報の利用の手引き – 気象庁
  6. 気象庁|「2週間気温予報」と「早期天候情報」について

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