近年、熱中症対策や猛暑対策として「空調ウェア」と呼ばれる機能性ウェアに注目が集まっています。空調ウェアに取り付けられた小型ファンが衣服の中に外気を取り入れます。そのため暑い屋外での作業中も体に風を流すことができ、涼しく快適に作業ができるのが特徴です。
どんな種類があるのか
空調ウェアの形状には
- ベスト型
- 長袖型
があります。
ベスト型の空調ウェアは袖がない分、動きやすいのが特徴です。一方、長袖型の空調ウェアは屋外で作業する際などに日光が直接当たるのを防いでくれますし、紫外線防止にも役立ちます。また袖の中にも風が流れるので、汗をかきやすい脇の下などにも風が流れ、涼しく感じられます。
ただ、ベスト型は腕が涼しく感じられなかったり、長袖型は袖に風が流れる分、袖が膨らんでしまい腕が動かしにくいなどのデメリットもあります。
その他、ファッション性を重視した「空調ファンが隠れる」タイプのものや、より冷却効果を感じられる「保冷剤を収納できる」タイプのものもあります。従来の空調ウェアはファンを取り外すと、ファンがあった場所に穴があいた状態になり、空調ウェア以外の着方が限られていました。前者のタイプはファンを取り外した後も、普通のファッションウェアとして活用することができます。後者は保冷剤を収納することで、風の流れもあいまってより冷涼感を得られます。
空調ウェアの選び方
まずは空調ウェア全体にいえる注意点からご紹介します。空調ウェアは
- ウェア本体
- 空調ファン
- バッテリー
の3つが揃って機能を発揮します。ファンとバッテリーをつなげるためのケーブルや充電器も必要です。ケーブルや充電器は大抵セットで販売されていますが、それぞれを単品で購入することもできます。ただし、ウェア本体によって対応機種は異なりますので、単品で揃える場合には、それぞれが対応しているかどうか必ず確認しましょう。
ウェア本体は、デザインや素材に違いがあるので、実際に着用する人自身の好みで選んだり、使用する場面に合わせて素材を選んだりするのがおすすめです。素材は綿100%や混紡糸のもの、撥水加工がされたものなど、さまざまです。バッテリーもまたメーカーによって特徴が異なります。長時間使用が強みのものもあれば、軽量化されたもの、また取り外しが簡単なものなどが挙げられます。取り外しが簡単なものにはウェアが洗濯しやすい利点が挙げられます。
自分が重視するものは何か、例えば涼しさやデザイン、機能性、空調ファンやバッテリーの性能など、を考えて選びましょう。初めて空調ウェアを購入する場合は、フルセットで販売されているものを選ぶのがおすすめです。
インナーも合わせて買うと効果的!
より快適に農作業を行いたい場合には、空調ウェアの下に着るインナーも合わせて買うと効果的です。空調ウェアと相性がいいインナーウェアが各メーカー、ブランドから販売されています。吸水性がよく速乾性の高いインナーを選ぶとより涼しく感じられますし、肌触りや汗の匂いを抑える防臭機能にこだわりのあるインナーもあります。
空調ウェアの気になる洗濯の仕方
空調ウェアを洗濯する際に注意しなければならないのが、空調ファンとバッテリーの扱いです。洗濯する前にはファンやバッテリー、それらをつなぐコードなども外しましょう。またファンやバッテリーを再度ウェアに取り付ける際は必ず、ウェア本体が十分乾いてから付けてください。濡れた状態や半乾きのウェアに取り付けることは、故障につながります。
またウェア本体の素材によっては、紫外線防止等の目的で機能性加工(チタン加工やアルミ加工など)がされているものがあります。機能性加工がされているものは、洗濯することでその加工が少しずつ剥がれ落ちる可能性があるため、長く使いたい場合には洗濯ネットに入れて洗ってください。
いずれの場合も、空調ウェアに記載されている洗濯表示や注意点を必ず確認するようにしてください。
参考文献