最近、コンビニやレストランで外国人の店員さんを見かける機会が増えました。「外国人観光客の数が増えている」という話題を聞いたことがある人も多いと思いますが、日本政府観光局によると日本在住の外国人の数も近年増え続けているのだとか。
日本に住む外国人の目的はさまざまですが、アメリカ、中国、韓国といった国以外からも、日本へやってくる人が増え、多国籍化が進んでいます。
日本在住の外国人が増えているということは、それだけ異なる食文化があるはずです。外国人に需要のある野菜を育てることで、新たな販路を生み出すことができるのではないでしょうか。
本記事では、近年増加傾向にあるベトナム人やブラジル人、フィリピン人に好まれる野菜について紹介していきます。
ベトナムの方に好まれる野菜
空芯菜
スーパーマーケットで見かけることも多くなった「空芯菜」。ベトナムでは「ラオムオン」と呼ばれ、よく食べられているメジャーな野菜です。「空芯菜のにんにく炒め」はベトナムの定番料理なのだとか。独特のシャキシャキ食感が日本人にも好まれています。
栄養価の高い空芯菜は暑さに強く、あまり手をかけなくても生育旺盛なのが特徴です。6~10月ごろまで収穫できるため、今注目の野菜です。
パクチー
日本でも好まれるようになってきた野菜「パクチー」。独特の風味から苦手な人も少なくありませんが、空前のパクチーブームがいまだに続いているようです。そんなパクチーはベトナムで常食として親しまれています。香り付けとして用いられることが多く、パクチーブームにわく日本のようにてんこ盛りにして食べることは少ないようですが…。
パクチーはこまめな水やりが必要不可欠です。夏場の水切れには注意しましょう。なお春まきと秋まきが可能ですが、4~5月頃に種をまくとすぐに花が咲いてしまうため、長く収穫したい場合には、秋まきがおすすめです。
ブラジルの方に好まれる野菜
キャッサバ
ブラジルの国民食として挙げられるのが「キャッサバ」です。現地では「マンジョッカ」と呼ばれています。今日本で空前のブームとなっている「タピオカ」は、このキャッサバが原料です。
日本ではまだまだ馴染みの薄いキャッサバですが、すでに日本での栽培は行われています。比較的簡単に栽培することができるうえ、乾燥に強く、荒れ地でも育つキャッサバ。元々熱帯性の植物のため、夏の高温期にも不安なく育ちます。ただし、冬場は10~12度の気温を必要とするため、日本で栽培する場合は「冬越し」に工夫が必要です。
マシーシェ
日本ではほとんど知られていない「マシーシェ」。ブラジルでは煮込み料理などによく使われる野菜です。キュウリの仲間で、輪切りにするとキュウリの断面によく似ています。ただし生では硬いため、加熱して食べるのが一般的なようです。
他のウリ科の野菜同様、マシーシェも7月~8月が収穫時期です。生育旺盛であり、多収穫できるので、まだまだ馴染みは薄いですが、作りやすい野菜と言われています。
フィリピンの方に好まれる野菜
青パパイヤ
フィリピンやタイでポピュラーに食べられている野菜「青パパイヤ」。「ティノーラマノック」と呼ばれる青パパイヤと鶏肉のスープは、フィリピン定番の料理です。生姜の効いた優しい味わいで、日本人でも食べやすい味です。
日当たりを好むので、直射日光の当たる風通しのいい場所で育てましょう。南国の植物であり、生育適温は25~30℃と比較的高めですが、気温が35℃以上となると雄花ばかり成ってしまい、結実しにくくなる特徴も。また平均気温が15℃以下になると休眠状態になってしまい成長が止まるため、冬越しに工夫が必要です。
モロヘイヤ
栄養価が高く、ネバネバとした食感が特徴的な「モロヘイヤ」。モロヘイヤは、青汁などの健康食品としても親しまれており、食べたことのある日本人も多いのではないでしょうか。
モロヘイヤは高温性の植物です。乾燥にも強いですが、乾燥が続くと葉や茎がかたくなってしまい、食感に影響が出てしまいます。極端に乾燥する場合には灌水を行いましょう。
なおモロヘイヤには特徴的な注意点が1つ。モロヘイヤは花が咲くとさやが付き始めますが、さやに含まれるタネは有毒です。さやをつけた茎葉の収穫や、子どもやペットによる誤飲には十分注意しましょう。
まとめ
日本在住の外国人に好まれる野菜を栽培することができれば、販路拡大が期待できます。ただし、野菜によって生育環境は異なります。日本で育てるためには工夫が必要となる野菜も多々あるということを忘れないでくださいね。
参考文献
- 日本に住む外国人が増加中!?その理由と特徴をご紹介!
- 図録▽外国人数の推移(国籍別)
- ベトナム生活情報サイト VIETJO LIFE
- クウシンサイ みんなの趣味の園芸
- パクチーが常食のベトナム人は、日本のパクチー・ブームをどう思っているの?
- コリアンダー(葉)【地植え】の育て方 住友化学園芸
- ブラジルの国民食「毒入りイモ」~マンジョッカとマカシェイラの違い~
- キャッサバの育て方・栽培方法
- ブラジル野菜のマシシで作る本場のミネストローネ レシピ
- これは珍しい!「マシシ」はブラジルから来たウリ科の野菜
- フィリピンで手に入る野菜とそのレシピ(フィリピン料理中心)
- パパイヤの育て方
- フィリピンの野菜を食べよう!
- モロヘイヤの育て方 みんなの趣味の園芸
- モロヘイヤの育て方 how to 情報