ビニールハウスを使うと、保温効果が高まり寒い時期でも野菜を安定して栽培することができます。暖房を使えば短期間での出荷もできます。最近ではビニールハウスの屋根に当たる部分に太陽光発電装置を組み込んだものもよく見かけますね。
そんな便利なビニールハウスは自作することができます!大掛かりなものだと少々難しいかもしれませんが、自作のビニールハウスに挑戦してみませんか?
自作ビニールハウスに挑戦!
DIYが初挑戦の場合には、小型のビニールハウスづくりからはじめましょう。
間口3m、高さ2〜3mほどの小さなビニールハウスであれば、重たいパイプを用意しなくても比較的安価なアイテムだけで組み立てることはできます。
ビニールハウスの構造はフレームを組み立てて、ビニールなどで覆うだけというシンプルなもの。注意点があるとすれば、風で飛ばされないように、フレームを組み立てる際には、しっかり地面に固定する必要があるということが挙げられます。
自作ビニールハウスに必要なもの
- アーチパイプ
- 直管パイプ
- ビニペットレール
- 留め具など
- ハウス扉
- 農業用ビニール
- ハウスパッカー
自作ビニールハウスの作り方
ビニールハウスを建てる前に
ビニールハウスを建てる場所にあらかじめ除草や堆肥を搬入するといった処理を行います。ビニールハウス完成前にやることで、効率よく野菜のハウス栽培に移ることができます。
設計図を用意しよう
図面もなしにいきなりビニールハウスを組み立てるのはNGです。本格的な設計図である必要はありませんが、間口や奥行きを決め、設置する場所を決めておきましょう。間口や奥行きは隣に配置するビニールハウスや風通しの良さなどを考慮して決めましょう。
またビニールを張った際に歪むことがないよう、設置する場所決めは慎重に。アーチパイプを差し込む場所に、あらかじめ目印をつけておきましょうね。
なおアーチパイプは間隔を開けすぎると強度が弱くなってしまうので、ビニールハウスの大きさに応じて、間隔を開けすぎないようにしてください。
パイプを組み立てよう
パイプ組み立ての流れは、
- アーチパイプを差し込む
- 留め具でアーチパイプの天井部をつなぐ
- アーチパイプに、直管パイプを取り付ける
- ビニペットレールを取り付ける
となっています。
アーチパイプを差し込む際には、差し込んだ場所の隙間を土で塞ぎましょう。また留め具などを使ってしっかりとパイプを固定しましょう。
ビニペットレールは、ビニールを組み立てたパイプに取り付けるのに必要不可欠なアイテムです。ビニペットレールの溝にビニールの端を入れ、専用のスプリングで挟み込むと、ビニールを押さえることができます。
扉をつけよう
用意したビニールハウス用の扉も取り付けましょう。設置しやすいものを選ぶなら開き戸タイプ、ビニールハウスの強度を優先するなら引き戸タイプがオススメです。
ビニールを張ろう
ビニペットレールと専用のスプリングでビニールを固定しましょう。ビニールを張る際には、ググッと引っ張って、ピンと張った状態で固定します。骨組みであるパイプが浮き出るぐらいにピンと張りましょう。
なおこの作業は、
- 風がある日を避ける
- 2人以上で作業する
ことを心がけましょう。パイプハウスの天井に設置するビニールは大きいため、風が吹くと飛ばされてしまう、破けてしまうなどの不安があります。必ず誰かに手伝ってもらうこと、無風の日を狙って作業することをオススメします!
ビニールを張ると裾の部分が余りますが、余った部分は土に埋めます。
自作ビニールハウス、やっておくと便利なこと
風から守るためにマイカ線を張る
マイカ線とは、ビニールハウスに張ったビニールが風でばたつくのを押さえるためのアイテムです。風でビニールが飛んだり、傷ついたりするのを防ぐことができます。ビニールハウスを風から守るため、「マイカ」をビニペットレールに取り付け、そこにマイカ線をジグザグに張りましょう。
雑草防止に黒ビニール
ビニールハウス内部への雑草の侵入を防ぐために、ビニールハウス側面の下部に黒ビニールを張りましょう。光を通さない黒色のビニールは雑草を生えにくくする役割があります。
防虫ネットを張ろう
どんなに注意していても、害虫はさまざまなところから侵入してきます。ビニールハウスを換気するために空いている箇所や側面、天窓など、外に接している場所から虫は入り込んできます。そのような場所を防虫ネットで覆い、防虫対策を心がけましょう。
自作と正規品、コスパがいいのは?!
正直な話、どちらにもメリット・デメリットがあるため、どちらのメリットを選ぶかによりけりです。
正規品(新品)のビニールハウスを用意する場合、コストはかかってしまいますが新品のため、必要となる部品の寿命は長く、定期的なメンテナンスで長く使うことができます。
一方、自作の場合にはサイズや使用する部品を自分で調整することができるため、価格を抑えることができるでしょう。ただし自作しなければならないため労力がかかるということ、中古部品などを使用した場合、モノによってはすぐに寿命がきてしまうことも十分考えられます。
とはいえ、DIYに抵抗がないのであれば、自作もオススメします。構造が理解できるとカスタマイズしやすくなるので、こだわりの栽培法が生まれるかもしれませんよ。
参考文献