新規就農者の強い味方。青年等就農資金について

新規就農者の強い味方。青年等就農資金について

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農業に限らず、新しく事業を始めるにはお金が必要です。
しかし農業はパソコン1つあれば始められるような事業と違って、かなりまとまった資金が必要となります。
数百万円もする大規模な機械の導入は資金ができるまで見送るとしても、農地の取得代または借地代、農具、種子、苗、肥料、農薬、農業用軽トラックの取得費、場合によってはハウスの光熱費やマルチの代金もかかってきます。
兼業農家でない限り、農業を始めても基本的には農作物を出荷して現金化するまで無収入になります。上記の費用に加えて当面の生活費も必要なのです。
農業に新規参入をする際には、こういった資金の捻出が不可欠となります。

新規事業を始める際、一般的には銀行で融資を受けます。
しかし農業をするにあたっては、日本政策金融公庫でも融資を受けることが可能です。
一体どのような融資なのでしょうか?

 

青年等就農資金とは

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日本政策金融公庫が新規就農者のために行っている融資を『青年等就農資金』と言います。
この融資には主に以下3つの目的があります。

・新規就農者への初期投資
・農業経営が軌道に乗るまで(5年間)の費用を支援し、新規就農者が農業に定着できるよう促す
・せっかく経験を重ねた新規就農者が資金不足で離農せざるを得なくなる事態を防ぐ

新規就農者を増やして定着してもらう意図があるため、青年等就農資金は無利子となっています。
融資の限度額は3,700万円で、12年間にわたって返済しますが、最大5年間の据置期間が設けられています。
3,700万円あれば土地を取得できますし、設備投資も行えます。
本気で農業に取り組みたいけれどお金の問題で見送っていた新規就農者にとっては、非常にありがたい融資条件となっています。

 

利用する際の条件

青年等就農資金による融資を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
なお、必要な書類や条件などは更新されることがあるので、詳しくは担当窓口まで問い合わせてください。
青年等就農計画の認定を受けた市町村を所管する日本公庫支店が窓口になっています。

1.就農要件
農業経営を開始して5年以内である必要があります。
個人でも法人でも構いません。

2.年齢要件
原則として18歳以上45歳未満でなければ青年等就農資金は利用できません。
ただし、一定の要件を満たせば45歳以上65歳未満であっても特例を受けることができます。
詳細は就農する市町村に問い合わせてください。

3.認定新規就農者になる
融資を受けるにあたって、担当窓口に就農後の農業経営に関する計画を提出する必要があります。
計画が融資に値すると認定されれば「認定新規就農者」となることができ、融資を申し込むことができます。

4.保証人
個人の場合は保証人不要で融資を得ることができます。
法人の場合は代表者のみ保証人が必要です。

 

青年等就農資金のメリット

1.無利子
青年等就農資金は全借入期間にわたって無利子での融資になります。

2.据置期間
返済期間は最長12年ですが、据置期間を最長5年にできます。
就農してからしばらくの間は収入がなく返済が難しいため、据置期間があるのは大きなメリットと言えます。

3.実質的に無担保
担保は原則として融資対象物件のみとなります。
実質的に無担保のような状態なので、非常に低リスクで融資を受けられます。

4.農業関係なら幅広く使える
融資してもらった資金は使い途が決まっているのが普通です。
しかし青年等就農資金については、提出した計画(青年等就農計画)の達成に必要な資金であれば以下のような幅広い用途に使うことができます。
・施設や機械…農業生産用の施設や機械、または農産物の処理加工施設や販売施設にかかる費用
・果樹や家畜等…家畜の購入費、果樹や茶等の新植や改植費、またはそれらの育成費
・借地料等の一括支払…農地の借地料や施設、または機械のリース料の一括支払等にかかる費用
・その他の経営費…農業経営開始に必要な資材費
ただし、「その他の経営費」にかかる費用については、経営改善資金計画を作成して特別融資制度推進会議の認定を受けた事業に限って融資資金を利用できます。

 

青年等就農資金のデメリット

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1.基本的に早い者勝ち
青年等就農資金は毎年度国の予算の範囲内で実施されるものです。
その年ごとに予算を使い切ってしまうとそれ以上の融資が行われないので、早めに申し込んでおく必要があります。

2.農地等の取得費用は対象外
青年等就農資金は農地の取得に使えません。
農地を取得したい場合は自己資金を使うか、他の制度を利用する必要があります。

 

まとめ

無利子かつ実質的に無担保で3700万円もの融資を受けられる青年等就農資金は、新規就農者にとって強力な味方となります。
本気で新規就農を目指すのであれば、融資の申し込みを積極的に検討してもいいでしょう。

 

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