【個人直売所の始め方・後編】売れる直売所の事例をもとに、直売所販売のコツを紹介

【個人直売所の始め方・後編】売れる直売所の事例をもとに、直売所販売のコツを紹介

販売機会を増やし、収益を増やす方法の一つに、生産者自ら「個人直売所」を運営し、消費者に農産物を販売する方法があります。

「個人直売所の始め方」と題し、個人直売所を始める上で必要な準備について紹介した「前編」。今回は直売所で販売するコツを、売れる直売所の事例を通じてご紹介していきます。

 

 

消費者から見た直売所の印象

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まずは消費者から見て「直売所」がどう映るのかについて紹介していきます。消費者の視点は、商品を販売する上でとても重要です。

お買い得商品が買える

消費者はなぜ、スーパーマーケットではなく直売所に足を運ぶのでしょうか(もちろん理由は人それぞれですし、単に「スーパーより近くにあるから」なんてこともありますが)。

量や価格にお得感を感じることを理由に直売所にやってくる人がいます。スーパーマーケットに並ばない、安価な「規格外野菜」などを求めて直売所に足を運ぶ人も少なくありません。

旬のものが楽しめる

農産物直売所ならではのものとして「旬」をあげる消費者もいます。

直売所に並ぶ商品は季節だけでなく、朝、夕の収穫時間によっても変わっていきます。「今」行かなければ出会えないものに出会えるという点で、直売所に魅力を感じる消費者も少なくありません。

新しいものと出会える

市場や小売店に卸すには量が足りなかったり、需要が足りなかったり、さまざまな理由でなかなか販売できない農産物もあるかと思います。

しかしそのような珍しい作物こそが、消費者が求める商品になることも。

新しいものに出会えることも、消費者から見た直売所の魅力。スーパーマーケットではなかなか見ることのできない品種などが並んでいるとワクワクするものです。

その地域ならではの特産品なども、消費者が直売所に魅力を感じる理由として挙げられます。

新しい食べ方の提案が得られる

「新しいものと出会える」のも魅力の一つですが、「新しいものの食べ方」「生産者だからこそ知っている食べ方」を求めている消費者もいます。

レシピ本などにはない新しい食べ方の提案が、消費者の「食べてみたい」「買いたい」という意欲を刺激することもあるのです。

 

 

個人直売所で売るときのポイント

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個人直売所の販売事例から得られた販売ポイントを紹介していきます。

いいものをつくる

とてもシンプルですが、もっとも大事なのが「いいものをつくる」こと。

消費者の関心を引くために奇をてらったりするよりも、販売する農産物の「鮮度」や消費者が求める「安心・安全」をカバーし、購入する人が「いいもの」だと思えるようなものを販売することが一番大事です。

直売所を目立たせる

看板やのぼりを用意して、個人直売所を目立たせましょう。存在をアピールすれば、遠くからでも集客できます。

目立たせる場合には、直売所のアピールポイントや売れ筋商品の名前、農園名などを記載すると、さまざまなお客への認知につながります。

ディスプレイに工夫を凝らす

個人直売所での販売は、野菜をそのまま並べるところから始められますが、ディスプレイに工夫を凝らすだけで、お客からの印象がガラリと変わります。

例えば、カゴに野菜を入れる際、カゴに傾斜をつけるだけで、お客が中身を見やすくなります。

値札も細い字でササッと書くのではなく、見やすく書く、マジックやマーカーの色を意識してカラフルにするだけで、雰囲気が変わります。

ある個人直売所では、「旬」を感じてもらうため、季節を意識したディスプレイを設置。ハロウィンの時期には、かぼちゃのおばけを置き、地元の子どもたちの関心を集めていました。

「新しいもの」や「新しい食べ方」を求めるお客のために、野菜を説明するPOPやレシピを用意するのもいいでしょう。

お客と積極的なコミュニケーションをとる

有人直売所で販売する場合、お客とのコミュニケーションも大事にしましょう。

真摯に商品説明することで、来店客がリピーターとなり、彼らの口コミで直売所のファンが増える可能性も十分あります。

対面販売には、商品に対するお客の反応を直に感じられる利点もあるため、お客の反応を分析して販売したい場合には、有人直売所もおすすめです。

リピーターを大切にしているある個人直売所では、来店客には住所と名前を書いてもらい、販売案内のハガキを発送しているといいます。

広告宣伝のための経費はかかるものの、地元の中高年のお客には好評で、ハガキというコミュニケーションによって顧客を獲得できているのだとか。

イベントを開催するのも◎

お客も参加できるイベントを開催する個人直売所もあります。

イベント開催で考えられる利点は、イベントに参加したお客が、販売物のファンになるだけでなく、個人直売所そのもののファンになる可能性があることです。

お客が個人直売所そのもののファンになると、新たなイベントにも参加してくれるかもしれませんし、新たなイベントのアイデアを提案してくれる可能性も。

無人と有人直売を使い分けるのも◎

「対面販売が苦手」と思う消費者もいます。そこで無人直売と有人直売を使い分けるのも手です。

無人直売所を一緒に用意することで得られるメリットは、無人販売を望むお客のニーズを掴むだけではありません。

有人販売所が閉店している時間帯や期間に、有人販売で掴んだお客が足を運んでくれる可能性があります。

 

参考文献

  1. 農産物直売所編
  2. 女性(主婦)目線からみた農産物等直売所 株式会社流通研究所
  3. 直売所の買い物が楽しい、5つの理由 地方で「農」を楽しもう 里の物語
  4. 第3部 農産物直売所が抱える課題別アプローチ 農産物直売所・経営改善マニュアル
  5. 渡邉絵里子編集, 『農業ビジネスマガジン 2018 SPRING vol.21』, 2018年5月25日, イカロス出版

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