今の日本の農業が抱える4つの問題

今の日本の農業が抱える4つの問題

日本の農業を取り巻く問題は数多くあります。
この記事では、そういった問題の中から代表的なものを紹介していきます。
日本の農業が抱える問題点を再認識することで、将来的な打開策が見つかるかもしれません。興味のある方は是非お読みください。

新規参入のハードルの高さ

今の日本の農業が抱える4つの問題│画像1

農業を始めるにあたって問題なのは、新規就農のためのハードルの高さです。
まず農地の確保が難しく、何らかのツテがなければなかなか農地を使うことができません。
なんとか農地を確保できても、今度は水利権で頭を悩ませる必要があります。
農業を始めるための農具や農業用機械の導入も大変です。多額の費用がかかる機械もたくさんあり、身内から譲ってもらうなどでなければ新規就農者には入手が困難なものもあります。
なんとか農業を始めても、すぐに収入が発生するわけではありません。農作物を育てる時間が必要ですし、収穫した農作物の販路を確立しなければ現金収入を得られないのです。
その他、農業には様々な名目で維持費が必要となってきます。種や苗の代金はもとより、農薬や肥料代、農法によってはハウスの光熱費などが重くのしかかってきます。
さらに、農家同士の付き合いという心理的なハードルもあります。農業はある程度地域で助け合いながら行う側面があります。新規就農者に対して冷たい態度で接する既存農家もおり、いわゆるご近所トラブルが発生する可能性もあるのです。

農業従事者の減少

今の日本の農業が抱える4つの問題│画像2

新規参入者に高いハードルがある一方で、離農者は年々増加しています。
多くの農家の経営は苦しく、儲からないため農業を止めて別の道で生計を立てる人が増えているのです。
親が農家であっても、農業を継がずに公務員になったり一般企業に就職したりする人は昔からたくさんいます。
農業をする親の方も、「農業は儲からないし身体的にも厳しいから子供に継いでほしくない」と考える人が一定数いるようです。
日本全体の高齢化もあって、農業関係者の平均年齢は上がっています。老化や病気で身体がうまく動かなくなり、農地の切り盛りができなくなった結果、農業の経営を諦める人も多くいます。
新規参入者にとってはハードルが高く、既存の農家から離農者が相次ぐ状況が長年継続しているため、結果的に農業従事者の数は減少が続いているのです。

食料自給率の低下

食料自給率とは、国内の食料消費が国産の食材でどの程度賄えているかを示す指標です。
食料自給率には熱量で換算する「カロリーベース」と生産額で換算する「生産額ベース」がありますが、日本の場合は双方ともに長期的な低下が続いています。
食料自給率の低下の問題点には、以下のようなものがあります。

1.輸入できなくなる問題

食料を輸入している国との関係が悪化したり輸入先に政情不安が起こったりすると、食料を輸入できなくなります。
「食料が輸入できなくなるから飢え死にする」と言うのは現代日本において実感できる問題ではありません。
しかし、例えばそれまで当たり前に輸入してきた食料が減ってしまえば、価格の高騰を招きます。結果として消費者の生活は苦しくなります
また、輸入が制限された食料に依存していた業界は大きな痛手を被って経営が悪化します。リストラによる人員削減が実行されれば失業率の増加も考えられるのです。

2.食の安全性の問題

日本人は食の安全製に対して非常に高い意識を持っています。国内産の農作物には厳しい検査が行われ、農家もこれを通過するために努力を続けています。
輸入される農作物にも厳しいチェックが行われていますが、我々日本人は国内産農作物に感じるほどの安心を海外食品から感じることはできません。
しかし食料自給率が激減して海外から食品を輸入せざるを得なくなれば、多少の安全性を犠牲にしてでも量を確保しなければならないときが来るかもしれません。
食料自給率は食の安全にも関係する問題なのです。

TPPが与える影響

TPPとは、簡単に言ってしまえば「参加国同士での関税を撤廃して貿易を自由化しよう」という枠組みです。
もちろん関税以外にも様々な論点がありますが、農家にとって大きな問題となっているのは関税の撤廃です。
日本の農家は関税によって、安い外国産品から守られている側面があります。
関税がなくなれば人件費の安い外国産が価格競争で有利となり、国産の農作物は不利となります。このため国内農家の経営は苦しくなると予想されており、離農者が続出すると懸念されています。
TPPでは輸出が有利になるので、輸出産業である自動車業界などはTPPに賛成しています。
しかし日本の農作物は一部を除いてそれほど輸出に力を割いておらず、国際競争力が高いとは言えないのが現状です。
農業にとって は悪影響の方が多いと考えられています。

まとめ

日本の農業にはこの記事に挙げた以外にも様々な問題点があり、解決の目処は立っていません。
国民が農業から離れた結果、農業に関する問題が他人事のようになってしまい、問題の存在自体が認識されなくなっているという現状さえあります。
農業の問題は食の問題であり、人間は食べなくては生きていけません。
私達日本人は農業に関する問題をより深刻に捉えなければならないのです。

 

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