2020/03/12 | レポート |
【長野県】りんご栽培でのウルトラファインバブル導入事例
今回ご報告するのは、長野県長野市のK様の農園の事例です。
Kさまの農園では、りんごの代表的な品種で、果肉の中に蜜がたっぷりと入った「ふじ」を栽培。
100Aの栽培面積のうち、ウルトラファインバブルを散布した20A(35本分)を、ウルトラファインバブル試験区としています。今回は、ウルトラファインバブル試験区とそれ以外の慣行区で、りんごの成長に変化が見られたかを検査。その結果をご報告します。
2019年4月よりウルトラファインバブルの導入を開始。導入にあたり、「秀品率アップ」「農薬使用量減」に期待を寄せていただいています。
※現在の秀品率は、秀品(贈答用)30%、選果場で「優」認定60%、ジャム等への利用10%。
※2019年度収量は、台風被害などにより10%減。
ウルトラファインバブル検証区と慣行区 検査結果報告
検査対象:ウルトラファインバブル試験区・慣行区それぞれ10個
検査部位:発色が良い部分と悪い部分、それぞれ頭側と尻側
■検査結果
・ウルトラファインバブル試験区
糖度(頭側):発色劣側16.4、発色良側16.4
糖度(尻側):発色劣側16.5、発色良側17.3
・慣行区
糖度(頭側):発色劣側16.4、発色良側16.7
糖度(尻側):発色劣側16.9、発色良側16.8
糖度平均値は色付きの良い面の方が糖度の高い傾向にありますが、ウルトラファインバブル試験区と慣行区での顕著な違いは見られませんでした。
検査方法:ウルトラファインバブル試験区と慣行区、それぞれの対象木より大きさの近い葉を採取し、葉の葉先・中央・根元の厚みを測定。
■検査結果
・ウルトラファインバブル試験区
葉の形状(mm):葉身長92.1、葉身幅56.3、中心-葉径38.9、葉柄26.3
厚み(mm):葉先0.13、中央右0.14、中央左0.14、根本右0.14、根本左0.14
・慣行区
葉の形状(mm):葉身長95.9、葉身幅55.7、中心-葉径38.7、葉柄17.3
厚み(mm):葉先0.14、中央右0.11、中央左0.11、根本右0.11、根本左0.11
慣行区に比べ、ウルトラファインバブル試験区の葉の方がわずかながら厚みがあり、葉の色が濃い緑および赤茶色の状態でした。
③土壌分析
ウルトラファインバブル試験区、慣行区からそれぞれ土を採取し、含有する成分の数値を検査しました。PH、EC、窒素、リン酸など、数値に差は見られましたが、もともと二つの土壌は道を挟んだ場所にあり条件も異なるため、ウルトラファインバブル導入による差異かどうかは判断できない、という結論に至りました。
以上がK様の農園で検査を行った結果の報告となります。
今作の結果は、葉・果実ともにその個体差による要因も考えられるため、次作は今作の数値との比較も行い、より詳細なデータを収集いたします。また、次作では開花前の3月と収穫後の10月に、調査木付近の土壌調査を実施する予定です。
次作の結果は改めて本ブログにてご報告するとともに、今後の農業の発展に寄与すべく、貴重なデータとして検証してまいります。