2019/11/29 | レポート |
【宮城県】サンチュ栽培でのウルトラファインバブル導入事例
K様は、安心で安全な野菜を生産するため、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する企業に与えられるGLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証を取得。サンチュ、サラダ菜、みつばといった葉物野菜の水耕栽培を行っています。特にサンチュは宮城県内出荷量の8割以上を生産しており、東北6県の中でもトップシェアを誇ります。
K様の農園では、2018年12月より、サンチュの栽培にウルトラファインバブルの試験導入を開始。ポンプを稼働させ、24時間ウルトラファインバブルの循環を行っています。期待している効果は下記のとおりです。
・生理障害の抑制およびロス軽減
・温度変化が激しい時期の生理障害の軽減
・栽培(収穫)期間の短縮
・収量アップ
・鮮度保持
チップバーン減少、鮮度保持に効果あり
ウルトラファインバブル導入により、サンチュの生育に以下のような変化が見られました。
・チップバーン(葉先枯れ)が減少
→発生率:慣行区2〜3%、ウルトラファインバブル試験区0%
特に6月の梅雨前や12月はチップバーンが発生しやすいが、ウルトラファインバブル試験区は慣行区と比較して発生率が下がった。
・葉の品質向上・鮮度保持
→収穫後の葉の持ちが良く、劣化が遅くなった
ウルトラファインバブル導入後、収量や収穫期間、葉の大きさに変化はありませんでしたが、生理障害の抑制、鮮度保持には効果が見られました。
チップバーンは、必要な部分に栄養成分であるカルシウムが送り届けられないことで発生します。今回チップバーン発生率をゼロにすることができたのは、ウルトラファインバブルのマイナス帯電性により、液肥などから効率的にカルシウムを吸収する効果が得られたためと考えられます。
また、ウルトラファインバブル効果で葉の水分量が多く保たれた結果、鮮度の保持にも繋がりました。
今後はロス率などを数値化し、より具体的な効果検証を行う予定です。また、栽培期間の短縮や収量アップなど、今回目標達成には至らなかった部分の実現に向けても引き続き取り組んでまいります。