2019/11/28 | レポート |
【長野県】キュウリ栽培でのウルトラファインバブル導入事例
群馬県館林市は、利根川・渡良瀬川に挟まれ、水の豊富で肥沃な優良農地を数多く残す平坦な土地です。12月から2月は日照時間も日本一長く、土地・水・冬の日照量に恵まれた館林市は、キュウリ栽培に適した環境が整っており、生産量は全国第2位を誇ります。
他のキュウリ生産地と差別化を図るため、館林市では朝どりにこだわりを持っています。早朝から収穫し午前10時までに出荷すれば、その日の夕方には東京都内のスーパーや小売店に並べることが可能です。キュウリは品種による食味などで差別化ができない野菜のため、K様は東京近郊型農業という特性を活かし、新鮮であることを重要な付加価値としています。
K様のキュウリの栽培方法は、子づる・孫づるを下ろす「更新型つる下ろし栽培」と呼ばれるもの。育てる際の手間はかかるものの、収穫しやすく、秀品率や収量アップに期待ができる栽培方法です。なお、館林市のキュウリ栽培の多くは、子づる・孫づるの先端を摘み取る「摘心栽培」が用いられており、つる下ろし栽培の実施は他農家との差別化にも繋がっています。
収量20%アップ! ウルトラファインバブル散水で目標値達成
「収量前年比20%アップ」を目標に、2018年12月の定植時からウルトラファインバブルを導入。下記のスケジュールで散水を行いました。
定植時~2週間:10t/30a×1日1回
3~4週目:散水なし
5週目~:4.5t/30a×1日2回(日射比例潅水方式。約20MJで5tの散水)
結果、昨年の収量:30t→今年の収量:36tにアップ。目標値である20%アップを達成しました。
目標値を達成できた理由について、ウルトラファインバブルの使用、ハウス環境制御、土壌改良など複合的な要因により土壌や肥料のバランスが整い、収量アップにつながったと考えられます。
特に今作から導入したプロファインダー(ハウス内の湿度や温度など環境因子を測定する測定器)でハウス内環境の見える化が進んで的確な管理ができたこと、そしてウルトラファインバブルの散水が収量増の大きな要因と考えています。
次作に向けて、より収量アップに効果的な条件を探ってまいります。今後の報告にもご期待ください。