2023/12/12 | インタビュー |
【静岡県】辞めたくても辞められない!
父の代から挑戦続きだった。
もともと畜産業を行っていたが、そこからJA売りでイチゴ栽培を始めた。
ただ、売り先が限れていたので、売り上げは良くなることがなく、十数年前から自分たちでチラシを作って販路拡張を試みた。
独自の広告戦略の甲斐もあって、今では購入したいと言うお客様が増えてきた。
また、もともとイチゴの他に、時期をずらしてトウモロコシやピーナッツを栽培してきたが、イチゴを求めてきていたはずのお客様が、「トウモロコシも買いたい、ピーナッツも買いたい!」と言ってきてくれるようになって、年間通して購入にしてきてくれて、作れば作るほど売れる状態。
いつでも辞めてもいいと思っていたが、景気が良くて辞められない。
イチゴでジャムも作れるし、ピーナッツでバターも作れるため、令和5年12月2日よりカフェを開業した。
なぜウルトラファインバブル(UFB)を導入されましたか?
2017年、イチゴ部会の農業資材の説明会でのUFBの紹介がきっかけ。
当時さまざまな農作物を家族経営で栽培していたので、一つの作物にあまり手をかけれない事もあり、既にイチゴ自動液肥灌水システムを使っていたイチゴに「水を変えるだけ」の手間をかけずに反収をあげるのに丁度いいかもと思い、UFBを導入した。
ウルトラファインバブルの効果はいかがですか?
イチゴの灌水に利用しているスタンダードタイプは、劇的な効果がある訳ではないが、根張りがいいし、反収は年々あがっている。
とにかく悪くならないのが一番の効果だと感じている。
ネギの防除に使用しているコンパクトタイプは、気体の供給圧を調整する事で、散水の展着浸透が丁度いいところがあることがわかった!
丁度いいところにすると、ネギの表面にある毛の間にも水が染み渡って、色が濃くなる。
これは農薬削減や防除回数の削減になる効果だと感じている。
ウルトラファインバブル技術どのようにお考えですか?
確立していない技術分野だからこそ、圧力や気体供給量など調整して、新たな効果を発見していきたい。
コンパクトタイプで防除の展着浸透に効果が感じられたが、丁度いい供給圧は原水の具合や希釈する薬剤により日々によって違うので調整している。
後でわかった事だが、この調整はカクイチ推奨の操作方法ではないとの事だった。
スタンダードタイプを使用しているイチゴは、今作から自動液肥灌水を日射比例式にバージョンアップした。
スタンダードタイプも、前作から気体供給量を調整できるタイプにバージョンアップした。
コンパクトと同様に環境に合わせて調整しようと考えている。
今後について
2022年の農業WEEKで、カクイチが新発売のUFB発生装置「White Nano」が、うちのコンパクトタイプの丁度いい調整からヒントを得て開発されたのには驚いた。
推奨の操作方法を変えた事を良しとするメーカーは珍しい。
農業は挑戦と決断と調整の連続。
令和5年12月2日オープンしたカフェともども、ウルトラファインバブルも“丁度いいところ”を発見しながら、新たな挑戦をし続けていきたい。