2019/11/15 | レポート |
【新潟県】観光わさび農園でのウルトラファインバブル導入事例
今回は、新潟県柏崎市で観光わさび園を運営しているT様の事例です。
「海の見えるわさび菜園」を謳う同園は、日本海に面した石地海岸沿いで栽培を行っています。従来、わさびは里山での栽培が一般的ですが、石地海岸は堅い地盤に広がる砂地で透水性が高く、かつミネラル豊富で純度の高い水質のためわさびの栽培には非常に適した土地。T様はこれまでの概念を壊す“海沿いでのわさび栽培”を成功させ、2011年4月から、新潟県内初の観光わさび園として営業しています。
同農園で栽培しているのは、中手品種であるイシダル。他に、こまち、赤鬼、丸一、真妻などを試験区で栽培。全体の株数は6880株に上ります。24時間かけ流しで行っている潅水に、今年からウルトラファインバブルの使用を開始しました。
ロス率軽減&秀品率アップを目指す
ウルトラファインバブルの導入により、T様は下記の効果を期待しています。
・夏季の高温によるロス率軽減
2018年、高温による被害が500万円発生。高温による被害を低減したい。
・秀品率の向上
わさびの平均単価=1本800円。秀品=1本 2,000円。
秀品の基準である「直径5㎝、長さ20㎝」を目指す。
樹勢・成育良好、病気の発症もなし
ウルトラファインバブルを導入した今作では、導入前と比較して著しい変化が見られました。
■2019年3月時点(定植から3カ月)
・導入前と比較して明らかに樹勢が良い。「定植から出荷まで通常は2年かかるが、この様子なら半年ほど短縮できるかもしれない」(T様)
■2018年8月時点(定植から8カ月)
・茎の本数が通常の約2倍増(1株あたり40〜50本発生)。 ※わさびは本体地上部の葉・茎も直売場や飲食店向けの商品として販売できる。
・根も順調に成育しており、1株あたりの収入増が期待できる。 →秀品化も現実的に
・うどん粉病の発症なし
病気に強く、高品質なわさびへと順調に成長
懸念していた夏の暑さの中でも、順調に苗が育つ様子を確認できました。ウルトラファインバブルがわさびの生育にどのように影響したかは現在検証中。樹勢が良いことについては、苗の酸欠が解消されて根量が増え、わさびの地上部に影響が出たと考えられます。また、うどん粉病が発生しなかったことについては、ウルトラファインバブルによって苗が健体化し、病害の忌避効果が高まったという仮説が立てられます。
収穫は2020年の夏を予定しており、現時点で観測できているのは地上部のみ。今後、収入に直結する地下部、つまりわさび本体の収量・サイズ・栽培期間等も結果として表れてくるため、引き続き生育状況を見守りながらウルトラファインバブルの効果を検証していきます。